【台所洗剤で消毒液】が作れる!コロナに界面活性剤が有効!経済産業省の発表を解説
こんにちは。ケアマネージャーのヒロキです。
台所用洗剤で作る消毒液がコロナウィルスにも効果があるとのことで、今回まとめてみました。
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台所用洗剤がコロナに有効との発表
先日、経済産業省から【台所用洗剤が新型コロナウィルスに有効な可能性がある】との発表がありました。
文献調査の結果、新型コロナウィルスに対して消毒効果が【ある可能性】があり、今後検証試験を行うが「結果判明前に使用しても問題がない」とのこと。
つまり、効果があるのはほぼ確定しているんだけど、ちゃんとしたプロセスを経て正式に発表する前でも、家庭用洗剤で消毒しててもいいですよ。
ということです。
私はケアマネージャーです。ウィルス感染対策には医療機関レベルで対策を行っている介護施設で仕事をしてきたので、研修などで知識としてはもっていましたが、今回改めてまとめてみました。
結論から
今回発表された台所用洗剤で使用できるものは限定されたものです。
全ての台所用洗剤が使用可能なわけではありません。
効果が確認されているのは食器・野菜洗浄用の家庭用合成洗剤であり、成分として直鎖(ちょくさ)アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを16%以上含むもの。
※感染症情報センターのサイトより抜粋
上記の成分が入っている市販品
〇 JOY W除菌
〇チャーミーマジカ 酵素+ フルーティーの香りシリーズ
他にも「鎖(ちょくさ)アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを16%以上含む」商品はあるとおもいますが、比較的どこにもでも売っており、手に入れやすいものは上記2商品化と思います。
なぜ、有効であると仮説したのか?
『新型コロナウイルス』は“新型”の“コロナウイルス”です。 つまり、”新型”ではないコロナウィルスが存在するのです。
それが以前に世界を騒がせた『SARSコロナウイルス』や『MERSコロナウイルス』
これらのウイルスは構造的に似通っており、これら有効な消毒方法は、『新型コロナウイルス』に対しても有効だと考えられるとのこと。
そして、これらに有効であった成分、それが【界面活性剤】なのです。
界面活性剤って?
界面活性剤とは、簡単にいうと「水と油をつなぐ役割を果たす」成分の総称です。
ひと口に「界面活性剤」といっても、2000種類もあると言われており、それぞれ性質が異なり目的に応じて使用されます。
【界面活性剤の主な性質】
1・洗浄 = 汚れを落とす性質
2・分散 = 混ざり合わないものを混ぜ、保つ性質
3・浸透 = なじみやすくする性質
身近な例でいうと、マヨネーズにも界面活性剤のようなものが含まれています。マヨネーズは卵・油・お酢等から出来ていますが、油とお酢はそのままでは混ざることができません。
そこで「卵」の黄身に含まれる「レシチン」という成分がマヨネーズの中の油とお酢を混ざった状態に保つ界面活性剤の役割を果たしています。
また、普段使っている洗剤や柔軟剤。シャンプーやリンスなどにも含まれています。
界面活性剤とはあまり聴きなれないものですが、普段口にしている食品、使用している洗剤などの日用品にも含まれているとても身近な存在なのです。
界面活性剤の種類
界面活性剤は、水に溶かしたときに電離してイオンとなる
・イオン性界面活性剤
・イオンにならない非イオン
この2つに大きく分類されます。イオン性界面活性剤はさらに
・陽イオン(カチオン)界面活性剤
・陰イオン(アニオン)界面活性剤
・両性界面活性剤
に分類されます。
陽イオン界面活性剤
消毒剤や柔軟剤、トリートメントなどに使われています。
最も刺激が強く除菌剤や除菌効果のあるハンドソープなどにも使用されています。水に溶けたとき陽イオンに電離する界面活性剤です。石けんと逆のイオンで、一般にマイナス(負)に帯電している固体表面に強く吸着し、柔軟性、帯電防止性、殺菌性などの性質があります。
陰イオン(アニオン)界面活性剤
シャンプーや洗剤などに使われています。
洗浄力がとても高い界面活性剤で、水に溶けたときに、親水基の部分が陰イオンに電離(帯電が反対)する界面活性剤で、2番目に刺激が強い界面活性剤です。
石けんをはじめ、古くから多くの種類が開発されてきました。現在でも、合成洗剤に多く利用され、その利用量は全界面活性剤の約半分を占めています。
両性界面活性剤
子供用のハンドソープなどに多く使用されています。
水に溶けたとき、アルカリ性領域では陰イオン界面活性剤の性質を、酸性領域では陽イオン界面活性剤の性質を示す界面活性剤です。洗浄性や起泡性を高める補助剤として広く使用されています。刺激の強さでいうと3番目。ただし、2番目と3番目にはかなりの開きがあります。かなり低刺激の界面活性剤です。
非イオン界面活性剤
最も刺激が少ない(ほぼない)界面活性剤です。
刺激がほぼないので、化粧品などに使われています。
水に溶けたとき、イオン化しない親水基を持っている界面活性剤で、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の全ての界面活性剤と併用できます。
このように使いやすい性質をもっているため、非イオン系界面活性剤の使用量が非常に増えてきています。非イオン系界面活性剤はその構造により更に細分化されますがここでは割愛します。
界面活性剤は怖い?
昔に「界面活性剤」が危険という報道がありました。そのイメージが残っており、現在でも【界面活性剤=怖いもの】という印象が残っている人もいると思います。
確かに界面活性剤の中でも、人体にとって毒性のある成分はありますが、2000種類ほどあるうちのごく一部の種類だけです。
それが
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
と言われる種類です。現在はすでに危険性が問題視されたことにより、もうかなり昔に使用禁止になってます。
そして、ABSを改良し代わりに登場したのが
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
と言う界面活性剤です。これが今回、消毒剤として使用するために配合されている必要がある成分の一つですね。
ただ、このLASも時代が進むにつれて問題視されるようにりました。ABSに比べると刺激は弱いものの、それでも結構人体にとっては強いものです。主に業務用の台所洗剤にはよく使われます。
そこで、このLASに代わりに使われるようになったのが
アルキル硫酸エステルナトリウム
これも消毒用として使用するために必要な成分ですね。刺激が強い界面活性剤の中でも弱い部類に入ってきます。
消毒液の作り方
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・アルキル硫酸エステルナトリウム
上記成分が含まれている界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)「おおむね1リットルのぬるま湯に対して5~10cc程度以上の台所用合成洗剤*を加えたもの。
とされています。
今回紹介する商品は、あくまでも参考ですので、他にも成分がしっかり入っているものなら使用できます。
これらの台所用洗剤をぬるま湯1Lに対し5~10CC加えます。
ペットボトルや、スプレーのボトルで直接溶かしても大丈夫でしょう。
使用する際は手が荒れてしまわないように、手袋をしたり手に触れてしまったらしっかりと流水で洗い流すようにしましょうね。
この消毒液は手指消毒には使用できません。ドアノブやテーブルなどに吹きかけて使用します。衣類などにも使用できませんのでご注意ください。
消毒液を使用した後は、表面に界面活性剤が残ってしまいます。
消毒後はしっかりと水拭きをしましょう。
現在アルコール消毒液などがとても手に入りずらい環境にあります。
医療機関などに優先的に回していくという方針であるために、ドラッグストア、スーパーでもなかなか打っていません。こういったとても身近なものでも代用が可能です。
コロナウィルスの感染リスクが日に日に高くなっています。
移らない・移さないを徹底するために、一人一人が意識をもって感染対策を行う必要背があります。
是非、試してみてください。