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人工と自然、共生のドラマ

とある日の帰り道、鵠沼海岸を自転車で通り過ぎようとすると、堆積した砂の山が目に飛び込んできました。風が運んだ砂、そして人工物の隙間から漏れ出す自然の風景。その風景に刻まれるの、人々の足跡。

どんな設計プロジェクトでも、周辺環境との調和は重要でありながら、とても難しいテーマです。計画する環境が人工的であれ自然的であれ、その場所には特有の「ドレスコード」が存在します。しかし、それを風の通り道のように人々の意志を空間に自然と溶け込ませることは、容易なことではありません。

周囲に残る無数の足跡を見つて、自然のアートに侵食する光景には、人はやはり自由な存在だと。

それでも、砂場に立つ小屋を見て、心に響くノスタルジックな風景は、やはり人の手によってしか生み出せないものなのだと、改めて思わされました。

この一連の写真を撮りながら、一見、矛盾するように思える感覚に揺さぶられ、深い考察を巡らせたひとときでした。

人工物を通り過ぎた風が描いた砂のパターン
無秩序な足跡。
砂浜に建てられた夏の小屋。


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