みんな誰かの遺族 すべて誰かの遺品 「相手をおもうこと」
大好きだった母を失ってから思うのは、わたしは母の気持ちを知ろうとしていただろうか、ということだ。
自分の母と姉(私の祖母と伯母)が認知症になってしまったため、母は早くからそうならないためのあらゆる努力を惜しまなかった。
認知症だけではなくて、毎日の生活の中でも、無駄遣いもせず、工夫して、かわいらしい楽しみを大切にして、そして子供に迷惑をかけないことを至上命題のように心の芯に据えて生きていた人だった。
子供が小さい頃はとても厳しい母親だったし、成長してもなにかあれば強い母がリー