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共感できた記事からの思いつき:オンライン授業とオンラインホワイトボードの併用

最近出たオンライン会議で、私はmiroをこのように使っていますという話を、主に大学で教えている先生方の前でしました。例として挙げた活動は、対面授業におけるグループディスカッションのアウトプットをMiro上で行うというものでした。

その話をした後にある参加者からもらったコメントは、「こういうオンラインツールを使うのはいいと思うけど、対面ならではの良さが失われる可能性があるんじゃないかな」というものでした。つまり、この方は、学生たちが「対面授業という直接言葉を交わせる環境にいるにも関わらず」ひたすらボード上にコメントを「無言で」書き続けるというイメージで、私の説明を聞かれたようです。

しかし、例えば、グループディスカッションを、教室の壁にグループ別の模造紙を貼って、そこにポストイットで各々がコメントを入れていく形式で行うのと比べた場合、教師側はまず模造紙を事前にグループの枚数用意しなければならない。もちろん、何枚消費されるかわからないポストイットも、それなりの個数用意しなければならない、筆記具も同様です。コストも時間もかかります。

一方、オンラインホワイトボードを使うからと言って、学生同士の直接の話し合いを禁止したり妨げたりすることを私が望んんでいるのではなく、むしろそこで大いにface-to-faceで、互いの表情を見ながら、冗談も言いながら活発に議論すべきで、要はアウトプットの方法を、オンラインボードに移すだけなのです。対面授業の良さが失われるというのは、思い込みでしかありません。

しかもオンラインボードにすれば、上記のさまざまな事前準備の時間、コスト(これもバカになりません)は、全て不要になるし、ワーク後の模造紙をどこに捨てようか、そこで出た情報をどう記録に残そうかと悩む必要も手間もないのです。ワークの様子は、そのままオンラインボードに、すべてのグループのものが記録されるわけですから。 

先の先生からのコメントは、授業形態を「対面」と「オンライン」という対立したものとして捉え、どっちが優れているかという立場からの発言であるように思われます。そこでは、両者を最適化して、「対面のみよりも、オンラインのみよりも、より良い授業形態を目指す」というもう一つの選択肢に思い至っていないことが根底にある原因だと思われます。

ここに引用させていただいた記事で、筆者の西尾さんは、次のように述べておられます。以下引用。

「現在のように,クラウドベースで協働できる環境が整う以前では,やろうと思っても出来なかったことが可能であること,そしてそれが従前とは桁違いに「協働」に効果的であることが,まだまだ意外と知られていないことに少し戸惑っているというのが私の今の感覚です.

論点としては,クラウド技術をベースにしたweb上でのwebアプリを使った協働作業では,従来の仕事の進め方と違って何が可能なのか,ということです.鍵は
①時間と場所に左右されないアクセス,そして
②一緒に何かを考えるメンバーの頭の中の見える化
ということなのかなと思います.

数年前,コロナウィルスが教育現場にもたらしたのは,オンラインで如何に従来の対面授業と比較しても遜色のない授業(というより,学生の理解度やモチベーションを上げて成果に繋げること)が出来るかという課題とその克服でした.もちろん,単純に対面授業と比較するということが難しいというか本来的に意味をなさない(この議論/結論はだいたいどちらかが優れているという印象による意思決定に利用されるのがオチ)ので,どっちが優れているのかという問題はこの議論の外ですが,オンラインでしか出来ないことが,上に上げた①時間と場所に左右されないアクセス,そして②グループメンバーの頭の中の見える化,だと思うんですよね.」(引用ここまで)

現在私が行っている授業は、すべて対面ですが、Zoomを使って授業を録画しています。そしてMiroを使って、学生諸君には授業のすべての内容のアウトプットを行ってもらっています。

そのメリットは、西尾さんも仰せの「時間と場所に左右されないアクセス」であり、今ひとつは(これは、西尾さんの記事を読むまでは意識していなかったのですが)「一緒に何かを考えるメンバーの頭の中の見える化」です。

「時間と場所に左右されないアクセス」について言えば、学生たちは何らかの理由で教室に来ることができない場合には、自分の居る場所からオンライン授業でリアルタイムに参加することもできます。(この点は、体育会系の学生で、試合の遠征で教室に来れない、メンタルな問題等で教室に来て他の学生と交流することが困難な学生などには、重宝がられています。)グループワークも、Zoomのブレークアウトルーム機能を使えば、教室にいなくても参加できます。

さらに、何らかの理由で授業時間に教室に来ることも、オンラインで参加することもできない場合でも、授業動画を視聴し、かつワークはMiro上で事後に動画を見ながら行うことも可能です。

「グループメンバーの頭の中の見える化」について言えば、他のメンバーのコメントや活動内容に触発されて良い思いつきが生まれるということがあるので、Miroは最適なツールです。他のメンバーのコメントを見ながら、思いついたコメントをどんどんMiroに書き込んでいる。

ZoomとMiroを併用すれば、授業とその中で行うワークへのリアルタイムでの参加も遅れての参加も可能になります。

少し書くべきアイデアに澱みが出てきました。Miroでブレインストーミングすることにします(笑)


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