又吉広人

はじめまして、お越しいただきありがとうございます。 日頃はコントとか書いて、やってます。 温かい目で読んでくれたら嬉しいです。

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最近の記事

ショートショート『披露宴』

1 俺は今幸せの絶頂にいる。 彼女と付き合いだしたのは一年前。知り合ったきっかけは同僚である長谷川が企画した合コンだった。 合コンなんてほとんど行ったことないし、もう30歳になる俺が行く場所ではないと一度断った。 しかし、長谷川からの必死のお願いに俺は渋々首を縦に振った。 どうやら男性側が一人来れなくなってしまい、人数合わせという事らしい。 「お前の分は俺が出すしタクシー代も出すから頼む!」と懇願され、俺はコイツに貸しを作るつもりで承諾したのである。そこで知り合ったのが今の

    • ショートショート『初恋』

      教室の隅で校庭を眺めている君に恋をした。その髪はしっとりと艶のある黒色で、肌は色が抜けるほど白い。僕は君のそのどこか儚げな表情に惹かれていった。だけど、意気地なしの僕は君を見つめている事しか出来ない。このまま中学を卒業してしまうのか。   帰りのホームルームが終わり部活へ向かう人、帰宅する人、教室でお喋りを始める人にわかれる。僕の日課は同じクラスの岩田優子さんを眺める事。中学三年になりそれがもう3ヶ月続いている。いつも通り窓際に座る優子さんを振り返ると彼女は僕の目の前に立って

      • ショートショート『記念日』

        【手紙】 森本哲郎くんへ。 哲郎くんは今何をしていますか?私は相変わらず元気にしているよ。哲郎くんがいなくなってもう数年が経ちましたね。当初私はあまりのショックで食事も喉を通らず5キロも瘦せてしまいました笑 それほど私は本当にあなたの事を愛していました。あの時の行動は全て愛していたが故の行動だと思って、どうか私を許してください。あなたは私にとって初めて恋を教えてくれた男性で、それほどまで大切な存在だったんです。ずっと一緒にいたい、あなたと全てを共有したいという想いが強すぎ

        • ショートショート『優しい男』

          犯人の男 通報を受けて駆けつけた警官隊が目にしたその光景は、余りにも悲惨なものだった。 屋内の壁や床には一面真っ赤な血液が飛び散っており、警官とはいえ見るのを拒みたくなるほど強烈に脳裏にこびりついてしまうそんな犯行現場だった。現場には親子と思われる遺体が転がっており、どちらも頭を銃で撃ち抜かれ即死の状態だった。後のDNA鑑定の結果、二人は紛れもなく親子であることが判明した。 白昼の喫茶店での銃乱射事件は連日マスコミに取り上げられ、その犯人の男の素姓や犯行に及ぶまでの経緯とそ

          ショートショート『再会②』

          誰の人生でもあるように、俺にもいくつか人生の岐路と言える瞬間があった。 21歳。大学三年の俺は、そろそろ進路を決めないといけない時期だった。サークルの後輩たちに将来の相談をされた時には偉そうにアドバイスしているくせに、自分のこととなるとサッパリだった。やりたいことも見つからず、かと言ってガムシャラに就活に励む気にもなれず悶々とした日々を過ごしていた。 そんな毎日を送っていたある日、同期の堂島が声をかけてきた。堂島は大学二年のゼミで一緒になって話すようになった。こいつも俺と同

          ショートショート『再会②』

          ショートショート『再会』

          僕には六つ歳上の兄さんがいた。 一般的には男兄弟はあまり仲が良くないイメージがあるかもしれないけど、僕たちは歳が離れているせいかそんな事はなく、兄弟喧嘩も一切なかった。 僕は兄さんの事を心から尊敬していた。頭が良くて、運動も出来て、爽やかで友達も多い。そして、何より兄さんは僕にとても優しかった。進路の事で親と言い合いになった時も間に入り味方をしてくれて、友達と喧嘩した時は朝まで一緒にゲームをしながら話を聞いてくれた。 僕は兄さんを心の支えにしていたし、兄さんもそんな僕を可愛が

          ショートショート『再会』

          雑談①

          すみません、最近サボってました。 せっかくフォローして頂いている方には申し訳無いです。近々今考えているお話でもあげたいと思っています。 今回は軽く近況でもと思い、文字を打ち込んでます。 最近は本を読んでいます。 一月は13冊。 二月になりまだ6冊ですが、去年に比べるとだいぶハイペースで読書しています。 今年読んだ中での3冊をあげるとするならば 1.カラフル/森絵都 2.元彼の遺言状/新川帆立 3.あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。/汐見夏衛 数字を振っていま

          ショートショート『黒装束の男』

          俺は小中高といたって普通の学校で過ごした。少し背伸びして国立大学なんて目指したものの結果は不合格。やりたいこともなかったし、一浪するよりも無難な大学に行く事を決めた。 友達もそれなりにできたし、顔も頭も平均の俺にも彼女が出来た。大学を卒業してすぐに別れたけど。 そんな俺は就職活動4社目で内定をもらうことが出来た。文房具を売っている会社だ。業績はというと普通。可もなく不可もなくといった感じだ。毎週行われる企画会議、営業ノルマもありそれなりに大変だったりする。 そんな俺を唯

          ショートショート『黒装束の男』

          ショートショート『卒業アルバム』

          「あんま勝手に部屋漁るなよ」 幸雄はそう言いながら部屋の明かりをつけた。 1DKとなっているその家は玄関をあがるとすぐ横にユニットバスがあり、奥に進むとダイニングキッチンがある。更に進むと幸雄の主な生活スペースとなっていた。 健司は「わかってるよ。伊豆に行った時の写真見に来ただけだから」と部屋を見渡した。 幸雄と健司は大学のゼミで知り合った。 二人とも髪の毛は明るい色に染められ、耳にはピアス、着ている洋服も金や黄色、赤など明るめの色が中心で他の学生と比べても垢抜けていた

          ショートショート『卒業アルバム』

          ショートショート『空き巣不動産』

          この街は今日も平和だった。 ニュースでは明るい話題が映しだされ、夕方ともなると家路につく人や飲みに向かう人様々だ。 そんな街の一角に廃れたビルがあった。 五階建てになっており、しかしそのほとんどが空きテナントになっている。 そこの三階に上月(うえつき)不動産はある。   全身黒の衣装に身を包んだ男があたりを警戒しながらビルに近づいていく。 その姿はあたかもおかしな人物ではあるが、こんな夕暮れ時に廃れたビルの近くを行きかう人はほとんどいない。 それでも緊張した面持ちで彼はビル

          ショートショート『空き巣不動産』

          はじめまして。

          こんばんは、又吉広人と申します。 noteを始めたキッカケは創作するのが好きで、そこで知人に紹介されました。とりあえず、色々なお話を書いていけたらと思っています。 とにかく思い付いた題材で好きな様に書いていきますが、アドバイスや意見などくれると嬉しいです。よろしくお願いします。

          はじめまして。