探求学習を学校で受け始めてから1年経った自分の変化

こんにちは。かえつ有明高校新高2の福井洋将です!今回は学校で探求型の授業を受け始めてから1年が経過した僕の変化について書きます。
探求学習に興味はあるけど従来型の教育から離れるのが怖くて一歩踏み出せない。そんな声を最近聞くようになりました。なので、そんな方の参考になれば幸いです。

中学と高校の違いは?

まず、授業スタイルと成績のつけ方の違いについてです。

僕が通っていた中学校は小中一貫校で、かつかなりの歴史がある学校です。そのため教育方針はかなり古いもので授業はただ黒板の板書を写すだけ、成績は8〜9割が定期テストによって決まってしまいます。なんの面白みもありません。テストの結果が全て。必然的に偏差値至上主義になってしまいます。テストが返却されるごとに人と点数を比べることしかせず、一番重要なテスト直しをしなくなってしまう人もいました。

それに対して僕が今通っているかえつ有明の探求型のクラスでは授業のところどころに先生の工夫がなされています。
例えば、一番板書を写しがちな数学の授業では、事前学習をしてきた生徒が授業前にその分野の解説を行ったり(もちろんそのあとで先生の補足が入ります)、授業のレベルより少しハイレベルな問題を4人1組でアイデアを出したりしながらお互いに協力して答えを導いたりします。

授業はどんな感じ?

まず、前提として高校のそれぞれのクラスの違いについて。全部で6クラスあり、3つに区分されます。

1つ目・A組。ここは僕が所属しているクラスでPBLを導入しています。生徒がどの授業でも中心。入学前のオリエンテーションでやった3分人の話を聴き続けるというものは相手の話を一度受け止めることに効果覿面でした。
2つ目、難進。難関大学進学クラス。2クラスあり、文字通り難関大学を目指すクラスです。外部模試の偏差値が基本的に60以上必要で勉強へのモチベーションは高いです。
3つ目、一般クラス。3クラス編成で高校入学時にA組、難進を希望しなかった生徒のクラスです。雰囲気は明るく、みんなフレンドリーです。

さて、本題に入りましょう。
僕たちのクラスの授業スタイルについてです。
入学当初にはこう感じました。
「やたらとこの学校は話し合いさせるな」と。
多分ここが他の学校との大きな違いだと思います。

この特徴的な授業の中でも特に異次元な授業がありました。
それは社会総合の時間です。
授業中に先生は一切黒板に文字を書きません。
年間授業全体の8割はパソコンを使います。
定期テストは自分の興味があるテーマについてのプレゼンです。
今まで自分の中にあった「授業」の概念が大きく覆された瞬間でした。

この授業で歴史を学べている実感が全くありませんでした。
しかし、深く考えてみるとこの授業は歴史を学ぶ上での本質をしっかり捉えられているのではないかと思いました。
教科書を読んで興味を持った分野を調べることは、必然的にその分野の基礎知識を学ぶことになり、しかも自分が興味を持った分野なので主体的に情報を取りにいきます。
定期テストでは、5人の小グループに分かれて全員が主体的に取り組んだもので、しかも興味があるものをお互いに発表しあうので、普通に授業を受けているよりも何倍の学びがあり、しかもテストが面白い
こんな感覚は初めてでした。

授業では基本的に先生が一方的に話し続けるということはありません。答えが定まっている数学ですら、違う解法を導き出せるようになっています。どの先生も生徒と共に授業を作っていくという意識があるので、生徒の意見も積極的に取り入れてくれます。例えば、国語の時間。「面白いものを見つけたから話したい!」と言えば授業前に少し時間を来れます。

このように、先生は生徒のことを生徒と同じくらい全力で考えていてくれて、生徒の主体性をとても尊重してくれるので、周りからの評価を恐れずに自分の意見を堂々と持てるようになります。

その授業を受けて来た自分の変化

この一年は人生が変わったと言っても過言ではないほどたくさんの変化があり、この中には書ききれないので、特に大きな変化について書きます。

自分の意見を他人の目を気にせずに言えるようになった
先日、一つ下の後輩たちの高校生になってから初めてのディスカッションの授業をオンラインで手伝いに行った時に一年前の自分を思い出しました。
進行役の人に「〇〇君どう?」などと促されないと自分の意見に自信がなく何も発言できなかった過去の自分を。
それと同時に一年という短い時間の中でもここまで成長できるのだと教育の偉大さに感銘を覚えました。

他にも、授業の進め方に違和感を覚えるとその先生と対話を重ね、自分たちの理想の授業にしてきたり、外部イベントで知り合った方にゲストとして授業に来ていただいたりしました。

それは先生が生徒のことを真剣に考えてくれているからこそできることで、あえて失敗させることで、問題解決能力も身につくことができました。

何事にも積極的になった
意見を出すことはもちろん、授業での発言回数も増え、参加する外部イベントもより大きなものになっていきました。
その中でも、僕が大きく成長するきっかけになった高校一年の夏休みについて少し紹介します。
それは、バングラデシュのエクマットラというストリートチルドレンを保護している場所に行ったこととANA主催のイノ旅というプロジェクトに参加したことです。

バングラデシュではエクマットラ代表の渡辺大樹さんの教育に対する熱い思いと情熱、価値観について聞くことができ、そこの子ども達の学びに対する姿勢と何事にも興味を持てる純粋な気持ちに心を動かされました。

イノ旅というのは、全国の高校生が約10人で旅をしながら学ぶ探求型プログラムで、今回は宮崎県新富町開催でした。
僕が参加した時のテーマは「鰻」でした。
中村養鰻場にお邪魔した時にいただいた白焼き(タレを付けずに、塩だけで味付けしたうなぎ)のあまりの美味しさに最終日のこのうなぎを売り出す新しいアイデアのプレゼンで全部の班がこの白焼きを使った企画を提出し、実際に新富町のカフェのメニューになったものもありました。

最後に

この文章が少しでも探求学習に興味を持ってもらうきっかけになったり、学校を選ぶ基準になったら嬉しいです。
しかし、これは探求学習を受けている人たちの中のほんの小さな一例ですので、100%こうなるとは思わないでください。
探求学習にはある程度今の社会にはリスクがあります
そこらへんもしっかり考えてみてください。拙い文章ですが、最後まで読んでいただきありがとうございました。








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