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前科者と呼ばれても、政治家として闘うワケ

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ー私を誰が嵌めたのかー 市長当選、逮捕、無罪判決、逆転有罪判決、そして、これから。 新聞やテレビでは報じられない事実を、私の目線から綴ります。
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#偏向報道

#34 悪魔の証明

無実を証明することを"悪魔の証明"というそうです。 例えば、「美濃加茂市に犬が存在すること」”あること”を証明するには、犬を一匹見つければOKです。しかし「美濃加茂市には犬が存在しない」"ないこと”を証明する場合、どのような手段があるでしょうか。「いない」と言っても、たまたま見つからないからだ、未発見だからだと言われてしまっては、証明にはならないのです。 "ないこと"を証明することは不可能に近いのです。 捜査機関は捜索や差押え、取調べなどで、"あること"を証明をします。

#33 詐欺師。錦三の夜の帝王。

オレオレ詐欺に騙される高齢者の方、結婚詐欺にあう独身の方、特殊詐欺に巻き込まれる大学生。 そんなニュースを見るとつい、 「詐欺師に引っかかるなんて...」 そう思ってしまうことはないでしょうか。 ですが、詐欺師は人を騙すプロ。 騙せるからこそ詐欺師なのです。そんな詐欺師に対して、私たちは素人。むしろ、他人を信じたい人が多いと思います。 見抜くことがいかに難しいのか、その恐ろしさを身をもって知ることになりました。 ■登場人物 私:藤井浩人
 中森氏:詐欺師。私に浄水プラント

#32 蘇る記憶、無実の確信。

連日の取調べで、示される資料は増えていきました。 そして、その資料の数々を見れば見るほど、私への嫌疑がいかに間違っているのか、確信が深まりました。 それと同時に、 「あの人(中森氏)が本当に私に賄賂を渡したなんて言っていたのか?」 そんな大きな疑問が生まれました。 ■登場人物 私:藤井浩人 
中森氏:詐欺師。私に浄水プラントを提案しながら、その裏で数億円の融資詐欺を実行。私に30万円の賄賂を渡したと証言。 
T氏:私に中森氏を紹介した人物。 >>>>>>>>>> 取調

#24 目つきの悪い29歳市長、危うい手腕

6人の弁護士団の先生方の時間をずらしながらの来訪。そのたびに取調べが中断され、私は冷静さを取り戻す時間を持つことができました。 一方で留置場の外では、通常では考えられない弁護活動が繰り広げられていました。何もできない無力な自分にとって、これほどまで頼もしいものはありませんでした。 そして、そんな活動が必要なほど、私を犯罪者扱いする新聞報道であふれかえっていました。 >>>>>>>>>> 「ここまで来たら裁判は免れないでしょう。裁判で潔白を明らかにすることと、美濃加茂市

#07 「ハナタレ小僧」を市長に選んだ美濃加茂市民

話を聞いてもらえれば、疑いはすぐに晴れるだろう。 そんな期待は消え、警察は私の敵であることを、ようやく理解しました。 刑事の怒り狂ったような言葉は酷さを増して、意識が遠のいていくほど、私は疲弊していきました。 そんな絶望から救ってくれたのは、弁護士の先生でした。 普通の生活をしていると、弁護士と知り合うことはありませんが、私たちが暮らすのは法治国家。 大変な時、特別な権限を持っているのが弁護士です。 ■登場人物 私:藤井浩人 Y刑事:愛知県警刑事、任意同行から私を担当

#05 はじめての愛知県警本部

早朝に叩き起こされ、 十分な睡眠も食事も取らないままに、 警察の準備した車に乗せられている自分の姿に、 (これは現実なのか。夢であって欲しい) と、何度も思いました。 それでも、事情聴取が始まれば 「私の疑いは、すぐに晴れるだろう」と信じていました。 そんな期待を持っていた私を乗せた白色のセレナは 無数のフラッシュが焚かれる中、愛知県警本部へと入っていきました。 ■登場人物 私:藤井浩人 Y刑事:愛知県警刑事、任意同行から私を担当。 >>>>>>>>>> 美濃加茂市

#04 「任意」ではない任意同行

記者の不穏な動きが気になりましたが、 ・疑われることなどなかったこと ・弁護士から「いきなり大変なことにはならないだろう」と言われたこと これらのことから、少し安堵して市長の仕事に専念していた矢先のことでした。 早朝から自宅を報道陣に囲まれ、警察からの電話が入り、要請に応じた私は、白色のセレナに乗せられて、名古屋市へと向かいました。 >>>>>>>>>> この時、私が連れていかれたのは「任意同行」によるものでした。 【任意同行】 捜査機関が取り調べることを目的とし

#03 事件の前触れ

2014年6月24日の朝。突然の出来事に、 愛知県警の要請通り任意同行に応じてしまった私は、気が付くとセレナの中にいました。 警察からの接触は突然でしたが、振り返れば思い当たる不穏な動きが、身の回りには起こっていました。 >>>>>>>>> 市長は、新聞やテレビ記者の前で定期的に記者会見を行います。 その他にも、何かあれば記者から取材を受けたり、記者と情報交換を行います。 そのような地元記者とは当然、顔馴染みになるわけですが、 騒動の日の数ヶ月前の深夜、知らない記者が家

#02 警察は正義の味方。私の味方。

早朝から報道陣に囲まれ、愛知県警からの直電。 もちろん、私はパニックになりました。 一方で、 (誤解はすぐに解けるだろう) 警察に疑われる心当たりが全くなかったこともあり、そんな楽観的な気持ちでした。 「警察は正義の味方。信じて、全てを話しに行こう」 しかし、現実はドラマのように単純ではありませんでした。 自分の身は自分で守らなければなりません。 その相手が、正義の味方だと思っていた警察であっても。 ■登場人物 私:藤井浩人 Y刑事:愛知県警刑事、任意同行から私を担当

#01 ある朝、突然

「あなた、逮捕されるみたいですよ」 ある日突然、全く身に覚えが無いのに、 そんなことを言われたら、 あなたは、信じることができますか? そして、何ができるのでしょうか。 私には、その日が突然訪れました。 私の前に最初に現れたのは、警察官ではなく、駆けつけた報道陣でした。 >>>>>>>>>> 2014年6月24日、美濃加茂市長就任から1年。 私は岐阜県美濃加茂市蜂屋町の田畑に囲まれた静かな実家に住んでいました。 まだ薄暗い早朝、母親の声で飛び起きました。 「...ちょっ

#00 オリンピックとあきらめが悪い37歳

2021年7月24日。東京オリンピックの競技を一通り見終えて、0時を回っていることに気がつく。今日は自分の誕生日だ。 金メダル第1号の髙藤選手は28歳、日本選手団の主将、山縣選手は29歳。 37歳を迎えた今振り返る29歳の自分は、全裸で身体検査をされたり、ココアにしるこサンドを浸すのが楽しみだったり、テレビ画面に映る彼らとはそれはそれは違いました。 誕生日を迎えて久しぶりに自分の情報をエゴサーチしてみると、自分が体験したことのほんの上澄みしか記録には残っていないことに、無