レビュー 「社会の変え方」泉房穂 2023年出版 2023年11月

1ヶ月ほど前、ユーチューブを見ていたら、妙に押しの強い人が喋っている動画が流れたので、何となく見ていると、石井弘毅に師事してた、と言っているのを聞いて、興味を持ち、著書を図書館で借りた。

石井弘毅とは、国家の予算である特別会計のからくりを暴こうとして殺された国会議員である。

動画を見るまで知らなかったが、泉房穂氏は兵庫県のもと明石市長(2011年5月ー2023年4月)だ。

さて、本書である。正直、感動のしっぱなしである。何度胸が熱くなったか分からない。もちろん自分に都合の悪いことは書いてないだろう。だとしても、熱く、本気なのである。
自分の立ち位置に確信を持ち、戦略的にことを進めていく。
著者をそこに立たせている個人的な経験の数々と、その結果としての熱い想いが著者の生き方に表れている。

地方自治体の首長が本気で自治体を変えようとしたら変わるのだ、ということを証明していると思う。
国会や内閣については日常的に記事に接して凡その権限を知っているが、直接選挙で選ばれた自治体の首長は、間接選挙で選ばれた首相とは権限の幅が違うということが良く分かる。
また日常の多くのことは国政府よりも地方自治体に影響されるほうが大きい、ということも分かる。
つまり地方自治体の選挙にもっと関心を持ったほうが良い、ということも分かる。

本書について、ああだこうだと言うよりも、実際に読んで貰ったほうがずっと説得力がある。

買うなり、借りるなりして読んでください。繰り返すけれど、著者は本気である。知事選に出馬することを希望する。

追記

ユーチューブで喋るのを見ていると、お笑いの横山やすしと雰囲気がそっくりである。横山やすしは怒りを抑えるのが苦手だった。
もし泉氏もそうだったとしたら、アンガーマネジメントが苦手であることと、熱い思いに溢れていることに、相関関係があるのか、それともたまたま同居しているのか、興味があるところである。