エッセイ 近くの川でハンモック泊をしてきた 2024年8月8日

ハンモック泊をするために、自転車を1時間ほど漕いで静かな河原へ行ってきた。

ここは以前、親父が鮎釣りをするためによく利用した釣り場所で、通称ホームベース。

30年前にここに引っ越してきた時、この河原に来て景色の美しさ、サカナの種類の多さに感動した。

その数年後、川の上流で大掛かりな道路工事が始まり、今は見る影もない。

今でも景色は美しく、水の透明度も高いが、魚類の数、種類ともにめっきり減ってしまった。

午前中は晴れて、午後から曇り空だったが、18時の気温は29°C。ここ2週間ほど雨がほとんど降っていないので、水量は少なく、川の水は生温かかった。全く友釣りには向いていない。

気がかりだった吸血性のアブも出てこず、日が暮れるまでは快適に過ごせた。暗くなってからしばらくの間、ヤブカが出た。幸い、ハンモックは蚊帳付きなので穏やかに過ごせた。

明け方の最低気温は26°C。半パン半袖で寝ていたが、22時あたりから寒くて何度も目が覚めた。

テントとは違い、ハンモックはほぼ外気に解放されているので、予想以上に寒かった。以前、明け方の最低気温17°Cの5月に薄着でハンモック泊をしたことがあったが、寒くてほとんど眠れなかった。

明け方、コーヒーを飲みながら、緑深い山、目の前に広がる白い河原、瀬を流れるせせらぎの音、夜明けに山にかかるモヤ、上流から流れてくる涼しい風を感じながら快適さに身を委ねてぼんやりしていたが、何の感慨も湧いてこなかった。こんなところでゆっくり時間を過ごせば何か感じるのかと思ったのだが。

6月に仕事を辞めてからの私の毎日は、精神的にはこんな風景なので、日常になってしまっているのか。

ただ、なぜか「海を見つめてごらん」という歌が口をついた。これは、NHK朝のテレビドラマ「藍よりも青く」の主題歌で、1972年から1年間放映されたものだ。

この時私は小学校高学年で、この主題歌を聴いた後、目の前の小学校に走って登校していた。

あの頃がとても懐かしい。そのことと、今の気持ちと何か共通点があるのだろう。

追記

これ以外にお遊びでないハンモックを使ったことはないが、このDD HammocksのFrontlineは基本の性能、つまり丈夫さ、使いやすさ、防虫機能が揃っていてお薦めである。ただ、最近ハンモックは立ち木を傷める、ということでキャンプサイトでは使用禁止になっているそうである。山や河原で使う分には何の問題もない。

また、気軽に張れるのでどこでもすぐに設営できる。接地しないので湿度や虫にも強い。椅子代わりに使うと安楽椅子のように快適である。

問題は、雨に対応できないこと。適切な木が適切な間隔で並んでいる必要があるので、場所を選ぶことである。

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