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Pay $485〜スピード違反でアメリカの裁判所に出廷した①

ここに来るまで長かった。思い起こせば年明け早々の1月にスピード違反で初めて切符を切られた。アメリカで交通違反をすると結構なダメージを日常生活に負ってしまうということがわかった。先日晴れて違反が取り消されたた。全てが終わるまでの半年間の記録を参考に記しておこうと思う。安全運転は間違いなく必要だが、車に乗る以上違反の可能性はゼロにはできない。アメリカでは州や郡によってもルールが違うが、私の経験を自戒を込めて振り返ってみたい。


正月早々の長めの出張を終えた。5時間超の長距離ドライブを経て、私の住む街まであと数マイル。見通しも天気もよく車も少ない田舎のハイウェイ。やっと着いた~!という気持ちでアクセルを踏んだところ、視界の隅から突如白バイが表れた。嫌な予感がしてスピードを落としてそのまま走ったら追尾してくる。サイレンを鳴らされ路肩で車を停められた。頭が真っ白になった。

白バイから降りて来た警官に免許証と車の保険証を見せる。なんとか冷静を保ち会話する。英語が早くあまり頭に入ってこなかったが、やはりスピード違反らしかった。65マイル(105K)制限の道を88~91マイル(142~146K)で走行していたとのこと。アクセルを踏んだとは言えそんな速さで走った認識はなく、とても混乱した。88~91マイルという微妙なバッファーも意味がわからない。とにかくスピード違反の切符を切られたということは理解できた。違反チケットを渡され、8週間以内に裁判所から罰金支払いの通知が来ると告げられた。不満があるなら争う権利があると伝えられた。呆然としながらもとにかく協力的に対応し、チケットにサインして帰路についた。警察も紳士的だったと思う。

帰宅後改めてチケットを見るとしっかり91マイルで走行したことになっていた。88マイルじゃなかったの?いろいろと調べると、超過速度に応じて罰則や減点が違い、88マイルと91マイルでは大きな差があることもわかった。法定速度を25マイル以上超過しているため、より悪質な違反に分類されるようだ。25マイル以内だと交通スクールに出席して減免措置を受けられたりするが、悪質な私にはその権利すら無いようだ。加えて車の保険金額も大幅にアップし、違反が私の運転記録に今後7から10年も残るらしかった。

私のケースだと$500㌦近くの罰金。そして保険料増が少なくとも10年は続き円換算して考えると累計で100万円を超えるペナルティになりそうだ。あの紳士的な態度からは想像もできないペナルティが課されている。ルールだから仕方がないとはいえ、とても落ち込んだ。

スピードを出し過ぎた点について大いに反省点はある。ただ91マイルも出したことが信じられなかった。低予算且つ古めの私のリース車では、これまでそんなスピードが出たことがなかったからだ。しかもその日は荷物を満載しており、車の動きも重かった。本当に41キロも超過していただろうか?超過速度も警察から口頭で曖昧に告げられただけで、具体的な証拠を一切見せられていない。「88マイル~91マイルで走っていた」とふわっとした言葉のみでこのペナルティを受け入れなければいけないのか。疑問と反省でモヤモヤした気持ちをかかえ、私の2024年はスタートした。

約1カ月後、正式に違反の通知が裁判所から届いた。26マイル超過、485㌦の罰金で交通スクール受講資格無し。以下3つの選択肢があった。

(州によって異なる)
1.違反を認めて罰金を払う
2.罰金を保釈金として支払い、書面で争う。裁判所が下した結果に不満がある場合、出廷して争う権利がある
3.罰金を保釈金として支払い、出廷して裁判で争う




いろいろと大変そうで1で済ますのが一番簡単だと思った。だけどいろんな人に相談した結果、ひとまず2の書面で争い、それでもダメなら出廷して争う。少しでもペナルティを軽減できないかやってみることにした。

アメリカには交通トラブル専門の弁護士や業者がいっぱいいることを知った。私には無関係と思っていたが、知人に紹介してもらったウェブサイトから書面の代行作成屋さんを見つけ、そこに連絡した。

費用は100㌦ちょっとで異議申し立て書類の作成を代行してくれるとのこと。半信半疑ではあるものの、ダメ元で依頼することにした。ウェブサイトに違反時の状況を細かく入力していくと次の日には私の異議申し立て書類がダウンロードできるようになっていた。本当に大丈夫かな?

10ページほどある書面を読んでみる。過去の判例を引用しながら警察のスピード測定の正確性に疑義を呈するような内容だった。定型文に当てはめてるんだろうなと思いつつも、私が作ったり手直しできるような代物ではなかった。無罪は期待しないが、1マイルでも超過スピード減が認められると罰則が大きく変わる。システマティックに完成した書類を、保釈金の小切手と僅かながらの希望ともに裁判所に提出した。それが3月頃。5月ごろ裁判所から連絡が来た。

Guitly(有罪)。あっけなく退けられた。





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