MTVが「世界への窓」だった頃
1980年代、小学校の高学年から中学生のころ、MTVが大好きだった。
最近、YouTubeでそのころの動画を繰り返し見ている。
記憶が呼び覚まされたり、「そうだったのか」と今だから分かる部分に気づいたりする。
脈絡もなく、自分用のリンク集のつもりで書いておく。極力、Officialの動画を拾った。メジャーどころばかりです。
事実関係、時系列等には、間違いがあるかもしれない。
これはあくまで私の主観的な「心象風景としてのMTV」だ。
『Thriller』の衝撃
「音楽と映像が一体化したコンテンツ」で、最初に高井少年の心を打ったのは、月並みだが、マイケル・ジャクソンの『Thriller』だった。
Wikipediaによると、「史上最も偉大なミュージックビデオ」に選ばれているらしい。
今見返しても、すごい。
「ザ・ベストテン」や「夜のヒットスタジオ」で喜んでたガキが、こんなものに遭遇したら、そりゃ、ショックだったろうな。
なぜか近所のダイヤモンドシティの家電売り場のビデオ売り場でヘビーローテーションになっていて、バカみたいにずっと見ていた。
『Flashdance』にくぎ付け
次は、いたいけな高井少年のハートを打ち抜いたこちら。
『Flashdance』の主題歌『What A Feeling』。
近所の家電量販店(たしか栄電社)が、たぶんレーザーディスクの販促のために映画を延々とリピートしていて、何度も立ち見してしまった。
小学生男子、完全にジェニファー・ビールスにのぼせてましたね。
のぼせつつ、「アメリカンドリームってのは、こういうことか」と分かったような気分にさせてくれた映画でもあった。
MTVのクリップ、スポイラーとかいうレベルじゃない映画のダイジェストになっていて、今でもたまに見てしまう。
この時代、名古屋あたりのローカルキッズにとって、洋楽の情報源は小林克也の「ベストヒットUSA」と音楽雑誌「ミュージックライフ」であった。あとはラジオぐらいか。
「ベストヒットUSA」は、ミュージックビデオが流れるようになると、夢中になった。
だって、海外のミュージシャンが動くんですよ?
今なら「いや、そりゃ、動くだろ」って話だろうが、雑誌の写真やアルバムのジャケットの静止画像しかない時代には、それだけで衝撃的だった。
記憶が曖昧なのだが、週に一度くらい、夜中にMTVを垂れ流していて、それも楽しみだった。衛星放送だったような、マイナーな地上波だったような。
今思えば、この時、高井少年は『革新的映像表現のシャワー』を浴びていたのだった。
例えば、この辺り。
今見ても最高『Take On Me』
a-haの『Take On Me』。
これはもう、本当にビックリした。21世紀の視点でも全然、かっこいい。
これも衝撃的だった。
狂気ほとばしる『Sledgehammer』
『Sledgehammer』。もう、何度見たことか。
ピーター・ガブリエル様は、とても良い基地外でいらっしゃって、こちらも忘れ難い。
デュエットするケイト・ブッシュとくるくる回っているだけ。
でも、歌詞を考えると、これは実にうまい表現だ。
これも大好きだった。
Money For Nothingの「ゆるいオッサン」の味
雑なCGに、雑なヘアバンドのおっさん。
耳タコなギターリフを含め、すべてが緩み切っている。
これを見て少年は、「力の抜けたオッサンは、かっこいい」という事実を学んだ。高田純次が体現するような価値観である。マーク・ノップラーはゆるいだけじゃないけど。
歌詞の通り、「MTVのビデオにMTVが出てくる」という入れ子構造もシンプルに面白かった。
さて、衝撃という意味では、この方も外せない。
Culture Clubでカルチャーショック
Culture Clubの一時期の人気は凄まじかった。NHKで特番やってたような。
LGBTなんて言葉があるはずもなく、保毛尾田保毛男がまかり通っていた時代に、「この人を、俺はどう理解したらいいんだ?」と高井少年は大いに混乱した。
しかも、この人のビデオ、今見てもよく分からないのだ。これとか。
わけがわからないなりに、「こういうの、アリなのね」と欧米社会の懐の深さみたいなものを感じたものであった。
Culture Clubでカルチャーショック、というダジャレを消化したところで、お次はこのお方。
とにかくエロかったマドンナ様
マドンナもMTVが生んだスーパースターだったと思うワケですが、当時の高井少年の認識は「マリリン・モンローによく似たエロい人」という雑なものだった。特に、この曲の印象が強かった。
エロ要素に着目してよく見ていたマドンナ様と対照的に、「化け物みたいに歌うめぇな…」と見入っていたのが、こちら。
悲劇の歌姫ホイットニー・ヒューストン
これじゃなくて『All At Once』のビデオがお気に入りだったのだが、公式には見当たらない。なぜだろう。
「歌はうまいが踊れない」と言われて作った歌って踊るビデオの出来が残念で、「無理に踊らんでもええやないか」と思ったものだった。
デビュー当時の輝かしい動画を見ると、まさか後にあんなハチャメチャな人生を歩むとは、とても想像できない。
思い出の『Dream Time』
この曲も入れておこう。
ビデオ自体が名作ってわけではないけど、ダリルホールのソロアルバム、とても気に入って、レコード買ったんです。
うん、ビデオは微妙だ。
『La Bamba』歌えます
高井さんはあまり芸達者ではないが、カラオケでは定番のネタがある。
『La Bamba』の熱唱だ。
スペイン語など欠片も分からないのだが、このビデオを見まくったので耳で覚えている。
映画のシーンを挿入してくるビデオは、反則に近い。
特にコレは、ずるい。
リッチー・バレンス役の俳優さんがライブシーンに出てきたうえで、飛行機の離陸が一瞬映って、そしてラスト。
書くだけ野暮だが、みんな笑顔で、ギターの音色でリッチー・バレンスを追悼している。
見るたびに、涙腺が刺激される。名作。
映画のシーンを挟んでくる系で忘れがたい傑作はこれ。
名画につないでくれた『ONE』
メタリカのこの曲自体が素晴らしいのだけど、『ジョニーは戦場へ行った』の場面を挿入したこのビデオがあまりに秀逸で、映画も見てしまった。
最強はやはりマイケル・ジャクソン
ここに紹介しなかったものも含め、山ほど、ミュージックビデオを見たわけだが、「このジャンルの完成形はコレだな」と私が思ったのは、これまた月並みですが、マイケル・ジャクソンのこの2本。
監督、スコセッシだったのか、と今回見返して初めて気づいて驚いた。
それと、これですね、やはり。
この人の周囲だけ、重力が消えている感がある。
再生回数5億回ちかいが、そのうち200回くらいは高井さんのはずだ。
マイベスト『Can't Fight This Feeling』
最後に個人的な史上最高傑作。
久しぶりにじっくり見たら、マグリットの絵画のモチーフが随所に入っている。なぜ今まで気づかなかったのだろう。
はっきり言って、REOスピードワゴンなんてのは、見た目はさえないバンドだ。でも、アングルと照明が完璧すぎて、それが味になっている。
『Can't Fight This Feeling』自体が名曲ですが、ビデオは「曲の先」まで描いている。
何度見てもグッときます。
うんうん。
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ほぼ高井さんの個人用途の投稿でございました。
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