【誤解】漢方薬=プラセボと主張する医者の意見
漢方薬を「プラセボ」と主張するお医者さんがいます。この方の名前は出せませんが、YouTubeでかなりの人気を誇っています。西洋医学第一主義で、漢方薬はあまり出さないタイプの方です。(※そのお医者さんの知識がないので出せない可能性あり)
この意見には誤解が含まれていることが多いです。漢方薬には数千年にわたる実践的な歴史があり、科学的な視点からもその効果が部分的に解明されています。以下、客観的な立場から漢方薬をプラセボと一括りにするのが不適切な理由を説明します。
1. 数千年の歴史に基づく実践と理論
漢方薬は中国や日本をはじめとした東洋医学の長い歴史の中で体系化されてきました。
古代からの使用経験に基づき、薬効が確認された薬材が使用されている。
「証(しょう)」という個別の体質や病態に応じた診断法を基に処方され、個別性が高い。
単なる「思い込み」ではなく、特定の症状や体質に対して効果があることが膨大な経験的証拠で裏付けられています。
2. 科学的なエビデンスの存在
現代の研究では、漢方薬の成分が薬理学的に効果を示すことが確認されています。
例:
小柴胡湯(しょうさいことう)は慢性肝炎や消化器症状に。
葛根湯(かっこんとう)は風邪の初期症状に。
抑肝散(よくかんさん)は神経症やイライラに。
有効成分が特定され、抗炎症作用や免疫調整作用が報告されています。
日本の厚生労働省が承認した「医薬品」としての漢方薬も多く存在しています。
「プラセボ」では承認されません。
臨床試験を通じて一定の有効性と安全性が確認されています。
3. 故武見太郎氏の使用
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日本医師会会長として長年活動し、日本の医療発展に尽力した武見太郎氏がこっそり漢方薬を使用していたことは、漢方の有効性に対する一定の信頼性を示しています。
彼のような医学の専門家が日常的に使用していた事実は、漢方薬が「プラセボ」と片付けられるものではないことの一例です。
4. プラセボ効果との関係
漢方薬もプラセボ効果を含む可能性はありますが、これは「プラセボ=全て偽物」ではありません。
プラセボ効果: 実際の薬理作用に加えて、「効く」と信じることで追加的な効果が得られる現象。
漢方薬: 基本的に薬理作用に基づく効果が中心であり、プラセボ効果が付加的に加わる可能性がある。
5. 「漢方=プラセボ」の背景にある誤解
漢方薬の効果がプラセボと誤解される原因の一部は、現代医学的な診断基準や病名に必ずしも一致しない点です。
例: 「未病(みびょう)」や「気・血・津液」という概念は、現代医学に馴染みが薄い。
しかし、これらは実践的な効果を裏付ける重要な診断基準です。
一部の医師が科学的なエビデンスの不足と感じる場合もありますが、これは漢方の理論が現代医学の枠組みに完全には収まらないためです。
※はっきり言って勉強不足。
結論
漢方薬を「プラセボ」とする主張は、漢方薬の長い歴史的背景、実際の薬理作用、そして科学的な検証結果を無視した不正確な意見です。現代医学と東洋医学は補完的な関係にあり、どちらも患者にとって有益な手段となり得ます。
正確な理解の下で漢方薬を使用し、その真価を見極めることが重要です。