【ヨウ素とビタミンC】登録販売者試験試験3章
登録販売者試験試験3章に出てくるヨウ素系製剤の脱色に関する実験内容について説明します。
1. 実験の目的と背景
目的
ヨウ素系製剤(ポビドンヨード)の溶液がビタミンC(アスコルビン酸)によって脱色され、殺菌作用が減弱する現象を確認。
ビタミンC以外の成分(ビタミンB2)の影響も考察。
背景知識
ポビドンヨード:
ヨウ素を含む消毒薬で、強い殺菌作用を持つ。
茶色い色はヨウ素の存在を示し、これが還元されると透明になる。
ビタミンC(アスコルビン酸):
還元作用が強く、ヨウ素(I₂)をヨウ化物(I⁻)に変えることで脱色が起こる。
ビタミンB2(リボフラビン):
黄色い色素を持ち、溶液の色を黄色に変化させる特性がある。
2. 実験手順と観察
手順
ヨウ素系製剤の準備:
コップに水を入れ、ポビドンヨードを数滴加える。
溶液はヨウ素によって茶色に変化。
ビタミンC入り飲料の添加:
ビタミンCを含む飲料を加えると、溶液が透明に変化。
還元反応によるヨウ素の脱色が確認。
ビタミンCサプリメント(DHC)の添加:
ビタミンCを含むサプリメントを溶液に加える。
脱色が起きるが、溶液が黄色に変化。
ビタミンB2の影響による発色を確認。
観察結果
ビタミンC入り飲料:
完全に透明に変化。
ビタミンCの還元作用により、ヨウ素(I₂)がヨウ化物(I⁻)に変化。
ビタミンCサプリメント:
脱色後に黄色へ変化。
ビタミンB2の黄色い色素が溶液を染めた。
3. 化学的解説
ポビドンヨードの反応
ポビドンヨードに含まれるヨウ素(I₂)が、ビタミンC(アスコルビン酸)によって還元される。
ビタミンB2の影響
ビタミンB2(リボフラビン)は黄色い色素を持つため、脱色後に溶液が黄色く見える。
特性:
水溶性で光や熱に敏感。
過剰摂取すると、尿が黄色くなる。
4. 考察と応用
脱色の影響
脱色はポビドンヨードの殺菌力を低下させる。
臨床的な注意点:
ポビドンヨードを使用する際は、ビタミンCを含む飲料や物質との接触を避ける。
希釈する場合は純水または水道水を用いる。
ビタミンB2の観察
ビタミンB2が含まれる製品では、脱色後も溶液が黄色く見える。
臨床的な注意点:
尿が黄色くなる現象はビタミンB2の過剰摂取によるもので、健康への害は少ない。
試験対策
登録販売者試験や薬学関連試験では、以下のポイントが出題される可能性がある:
ヨウ素系製剤の性質と作用メカニズム。
ビタミンCの還元作用による脱色の仕組み。
ビタミンB2の特性とその影響。
5. 結論とポイント
実験結果の要点
ビタミンCの作用:
還元作用によりヨウ素をヨウ化物に変え、ポビドンヨードの殺菌作用を低下させる。
ビタミンB2の影響:
黄色い色素によって溶液の色を変化させる。
応用と注意
ポビドンヨード使用時の注意:
希釈液や併用薬にビタミンCを含むものがないか確認する。
食品やサプリメントの特性:
ビタミンB2の摂取による尿の黄色化は無害であることを理解。
試験における理解:
化学的反応やビタミン成分の特性を正しく把握しておく。
実験を通じて得られる教訓
ヨウ素系製剤は還元性物質と接触すると作用が変化するため、適切な取り扱いが重要です。
ビタミンB2やCの特性を日常生活や医療での応用に活かすことができます。
登録販売者や薬剤師としての理解を深める良い実験例といえます。