【脾に最悪!】カツカレーライスに氷水で冷たいサラダや甘いもの 中医養生学
脾と肥甘厚味(脂っこいもの・甘いもの・濃い味)についての解説
中医学において、「脾胃(消化器系)」は体内での消化吸収と気血生成の中心を担っています。しかし、脾胃は特定の食習慣や食べ物に対して非常に弱く、それが過剰に摂取されると、脾胃の負担が増して不調を引き起こします。その中でも特に注意が必要なのが「肥甘厚味」です。
1. 肥甘厚味とは?
肥(ひ): 脂っこいもの。
例: 揚げ物、バター、油の多い料理。
甘(かん): 甘いもの。
例: スイーツ、砂糖たっぷりの飲み物。
厚味(こうみ): 味が濃いもの。
例: カレールー、ラーメン、濃い味付けの煮物。
これらは消化に時間がかかり、脾胃に大きな負担を与えるため、中医学では避けるべき食材・調理法とされています。
2. 脾胃が肥甘厚味に弱い理由
2-1 運化機能への影響
脾陽(ひよう):
脾のエネルギー源であり、消化吸収を支える力です。
肥甘厚味の過剰摂取は脾陽を傷つけ、運化(消化吸収と水液循環)機能を低下させます。
2-2 水湿の停滞
脂っこいものや冷たいものを一緒に摂取すると、体内で湿が溜まりやすくなります。
余分な水分が体内に溜まることで「痰湿(たんしつ)」が発生し、むくみや疲れ、胃腸の不調を引き起こします。
2-3 食事の組み合わせの問題
カツカレーライス+氷水+冷たいサラダ:
油脂(カツカレー)+冷たいものの組み合わせで脾胃の働きが著しく低下します。
油脂が冷えると体内で固まりやすく、消化不良を招きます。
3. スパイスカレーは脾胃に優しい?
スパイスのみのカレー:
スパイスは生薬に近い性質を持ち、消化を助ける作用があります。
ただし、スパイスの選び方は体質によって異なるため、一概に良いとはいえません。
市販のカレールー:
油脂や小麦粉が主成分で、スパイスはごく少量しか含まれません。
味は濃く、脂っこいため脾胃に負担をかけます。
4. 冷たいものと油物の組み合わせが悪い理由
冷たい飲み物や生野菜サラダは、体を冷やして脾胃の働きを弱めます。
油脂が冷えることで体内で固まり、消化不良や胃腸の不調を引き起こします。
5. 食習慣の見直し
5-1 注意すべきこと
脂っこい料理や濃い味付けは控える。
冷たい飲み物を避け、温かいお茶やスープを摂る。
デザートやアイスクリームなど甘いものを食べる場合は少量にする。
5-2 脾胃を守る食事
温かく消化に優しい料理を選ぶ(例: お粥、スープ)。
野菜たっぷりのスープや蒸し野菜を取り入れる。
消化を助ける食材(山薬、なつめ、ほうれん草)を活用する。
6. 肥甘厚味を避けるための具体的な工夫
油の量を減らす調理法:
揚げ物よりも蒸し物、煮物を選ぶ。
味付けを薄くする:
塩分や砂糖を控え、自然な甘みを生かす。
飲み物を温かいものに:
冷たい飲み物を避け、常温または温かいお茶を選ぶ。
体質に合ったスパイスの活用:
胃腸が弱い人は刺激の少ないスパイスを選ぶ。
7. まとめ
「肥甘厚味(脂っこいもの、甘いもの、濃い味)」は脾胃に大きな負担を与え、消化吸収を妨げる原因となります。特に、冷たい飲み物や生野菜と脂っこい料理の組み合わせは避けるべきです。
脾胃を守るためには、消化に優しい温かい料理を中心に、バランスの良い食生活を心がけることが重要です。また、自分の体質に合った食材や調理法を選ぶことで、脾胃の健康を維持し、全身のエネルギー生成をサポートできます。