【冷え用語】中医学における冷えとは? 中医婦人科学
中医学における「冷え」関連用語の解説
冷えは、体内の気血津液や五臓六腑の機能が失調した結果として現れる症状であり、治療にはその根本原因を追求することが大切です。冷えに関連する中医学の専門用語を以下に解説します。
冷えや寒さに関連する用語
悪寒(おかん):
定義: ゾクゾクする寒気を感じる状態。
特徴:
厚着や暖房を強めても寒気が緩和しない。
原因: 外からの寒邪(風寒の邪気)が侵入した状態。
対処法:
解表(寒邪を追い出す)を行う。
漢方: 葛根湯や麻黄湯。
食材: 生姜、ネギなど温める食材。
畏寒(いかん):
定義: 悪寒より軽く、厚着で寒さが改善する状態。
特徴:
身体の中の陽気が不足している(陽虚)。
対処法:
陽気を補う。
漢方: 八味地黄丸、真武湯。
食材: 羊肉、ニンニクなど陽気を補う温熱性の食材。
悪風(あくふう):
定義: 風に当たると軽い悪寒を感じる状態。
特徴:
室内や無風の場所では寒さを感じない。
外風に敏感な状態で、衛気(体表を守る気)が弱い場合に起こる。
対処法:
衛気を強化。
漢方: 玉屏風散。
食材: 黄耆(おうぎ)、大棗(たいそう)。
厥寒(けつかん):
定義: 手足が寒い状態。
特徴:
冷えを強く感じる。
対処法:
血流改善や陽気の補充。
厥冷(けつれい):
定義: 手足が冷たい状態。
特徴:
指先から手首や足首まで冷えを感じる。
厥逆(けつぎゃく):
定義: 手足が極端に冷たい状態。
特徴:
冷えが肘や膝まで及ぶ重篤な症状。
気血の流れが非常に滞っている。
中医学的視点からの冷えの分類と対処
原因の追求が重要:
冷えそのものを単純に温めるのではなく、五臓六腑の状態や気血津液のバランスを確認し、根本原因を見極める。
解表と補陽の使い分け:
悪寒: 外邪(寒邪)を追い出す。
畏寒: 陽気を補うことで内部の冷えを改善。
カウンセリングの重要性:
患者の冷えの特徴や生活習慣を詳細に把握し、適切な漢方薬や食事を選択する。
まとめ
冷えは単なる症状として捉えるのではなく、全身の気血津液や五臓六腑のバランスの崩れが背景にあると考えます。中医学では患者個々の冷えの原因に基づき、適切な対処法を選択します。日常的には身体を温める食材や生活習慣の改善を心がけることで、冷えを予防し、健康を保つことが可能です。