【ドロドロ血≠瘀血】中医婦人科学
瘀血(おけつ)は一般の人に説明する際にドロドロ血と解説しがちです。中医学に馴染みのない人に説明する際に、「ドロドロ血」と表現するのは一部の概念を伝えるのに便利ですが、完全に正確ではありません。以下に理由や別の言い回しについて解説します。
「ドロドロ血」と表現するメリット
イメージしやすい:
一般的な人には「血が滞る状態」を視覚的に想像しやすい。
血液がうまく流れず、どこかに溜まってしまうイメージが共有できる。
中医学の難しい概念を簡素化:
「瘀血」という用語が初めての人にも取っつきやすい。
「ドロドロ血」の問題点
物理的な血液の性状に限定される誤解:
中医学の「瘀血」は西洋医学的な「血液が粘性を帯びている」状態(いわゆる高コレステロールや血栓)だけを指していない。
血流が滞る原因は「気の不足(気虚)」や「寒冷」、「気滞」なども含まれるため、「血液の粘度」だけの問題ではない。
※複合的に様々な不調が混ざっている。
冷えによる瘀血が説明しにくい:
「ドロドロ血」では寒さで血が滞るケース(例えば冬場に生理痛が悪化するなど)を伝えづらい。
瘀血には広範な症状が含まれる:
刺痛(針で刺されるような痛み)や塊、顔色の悪さ、口の乾燥感、月経の異常など、「ドロドロ血」では説明が不足する部分がある。
代替案:わかりやすい説明方法
「瘀血」は以下のように説明するのがより正確で、一般の方にも理解しやすいです:
「血液の流れが悪くなった状態」
「瘀血は血液の流れが悪くなり、身体の中で詰まりや滞りができる状態です。例えば、肩こりや生理痛、顔色が悪い、冷え性がひどいといった症状が見られることがあります。」
「血液が詰まったり固まったりして流れが悪いイメージ」
「まるで水の流れが悪くなって、どこかに溜まってしまうような状態です。瘀血では血の巡りがスムーズでないため、体に不調が出やすくなります。」
日常的な比喩を使う
「瘀血は、血液の道が渋滞している状態と考えてください。血液がスムーズに流れないので、必要な場所に酸素や栄養が行き届かず、痛みや冷え、むくみなどの症状が出ることがあります。」
結論
「ドロドロ血」という表現は、瘀血を簡単に伝える際に役立つ場合がありますが、誤解を招く可能性があるため、補足説明が必要です。最終的には、「血液の流れが悪くなる状態」として説明し、瘀血が単なる血液粘度の問題ではなく、体全体のバランスに関連することを付け加えるのが良いでしょう。