【ツ●ラ売上No.1】大建中湯(だいけんちゅうとう)は漢方薬剤師は使わない!
大建中湯(だいけんちゅうとう)は、特に冷えによって胃腸が弱くなり、便秘や腹痛を引き起こす症状を改善するための漢方薬です。冷えによる消化器系の不調に対して非常に有効で、強力に体を温めることで胃腸の働きを活発にします。以下、構成生薬とその作用、効果、使用のポイントについてさらに詳しく解説します。
構成生薬の詳細と作用
乾姜(かんきょう)
学名: Zingiber officinale
科名: ショウガ科(Zingiberaceae)
作用: 乾姜は生姜を乾燥させたもので、生姜の温め効果をさらに強化した生薬です。温中散寒作用があり、内臓を深く温めます。寒さによる胃腸の不調を和らげ、消化を促進する効果があります。
温熱力: 乾姜は「熱性の生薬」として分類され、体を強く温める力があります。冷えによる血行不良を改善し、胃腸の動きをスムーズにする役割を果たします。
山椒(さんしょう)
学名: Zanthoxylum piperitum
科名: ミカン科(Rutaceae)
作用: 山椒は補陽・健胃作用を持ち、胃腸の働きを高めるのに役立ちます。消化促進効果があり、食べ物の消化を助けます。また、山椒の辛味成分は胃腸を温めて動きを活発にします。
消化のサポート: 山椒は脂っこい食べ物の消化を助けることから、伝統的にウナギ料理などに添えられます。これも消化を助け、胃腸への負担を軽減するためです。
人参(にんじん)
学名: Panax ginseng
科名: ウコギ科(Araliaceae)
作用: 人参は補気健脾作用があり、気力を補いながら胃腸の機能を高めます。エネルギー不足や疲労感を感じるときに体力を補強し、消化器系を元気にします。
気の補充: 人参は古来より滋養強壮に使われてきた生薬で、特にエネルギー不足や虚弱体質の人に用いられます。
膠飴(こうい)
作用: 膠飴は、麦芽糖から作られた飴状の生薬で、補脾作用があります。胃腸を潤しながら温め、消化管の粘膜を保護する働きがあります。膠飴は甘味があり、胃腸に優しく、便秘を改善するために腸に潤いを与えます。
味と効果: 膠飴の甘さは薬全体を飲みやすくするだけでなく、胃腸を優しく温めてくれるので、胃が弱っている人でも負担なく服用できます。
効果と適応する症状
大建中湯は、冷えによる胃腸の虚弱に対して効果的で、以下のような症状に特に有効です:
冷えによる腹痛:
体やお腹が冷えて痛みが出る場合に適しています。冷たい環境や冷たい飲食物が原因で腹痛が悪化する人に用います。
メカニズム: 乾姜と山椒が体を内側から温め、冷えによる筋肉の緊張や内臓のこわばりを緩めて痛みを和らげます。
冷えを伴う便秘:
冷えが原因で腸の動きが鈍くなり、便秘が生じる場合に使用されます。膠飴が腸を潤し、便を柔らかくして排便を促します。
潤い効果: 乾燥して便が硬くなっている場合、膠飴の潤い効果が便通をスムーズにします。
胃腸の虚弱症状:
胃腸が弱く、冷たい飲み物や食べ物を摂るとすぐに不調が出る人に適しています。体のエネルギーが不足している場合にも用います。
全身の虚弱を改善: 人参がエネルギーを補い、全体的な体力を高めることで、胃腸の働きを正常に戻します。
使用のポイント
強力な温熱作用: 乾姜と山椒が強い温め効果を発揮し、冷えによる症状を迅速に改善します。これにより、胃腸の冷えが原因の症状に即効性が期待できます。
虚弱な大人向け: 大建中湯は特に冷えによる便秘や腹痛を抱える虚弱な大人向けの処方です。お子さんや冷えが軽度な場合には、小建中湯など、より穏やかな処方が適しています。
膠飴の甘味: 甘みがあり飲みやすいのが特徴で、苦味や辛味が苦手な人でも服用しやすくなっています。膠飴は胃腸を保護しながら効果を発揮するので、体に優しい処方です。
臨床での使用と注意点
医療現場での使用頻度: 日本の医療現場では、大建中湯は広く使用されていますが、漢方専門家の中にはあまり頻繁に処方しない人もいます。これは、患者の体質や症状に応じて最適な処方を選ぶ必要があるからです。
※ツ●ラの売り上げNo.1は大建中湯です。医師は処方しますが、漢方薬剤師は処方しません。これはどういうことか考えてみるとよいでしょう。旅行先や外出時の対策: 冷えが原因で便秘や腹痛を起こしやすい人は、旅行先などで冷たいものを摂るときに備えて、大建中湯を頓服薬として使用することがあります。
大建中湯と他の処方との違い
小建中湯との違い: 小建中湯は、大建中湯よりも作用が穏やかで、子どもや冷えの程度が軽い人に適しています。大建中湯は温熱作用がより強く、冷えが深刻な場合に用います。
関連する補温生薬: 大建中湯と同様に体を温める生薬には、附子(ぶし)や鹿茸(ろくじょう)などがあります。これらはさらに強力な補陽作用を持ち、重度の冷えや陽虚の状態に対応します。
まとめ
大建中湯は、冷えによる便秘や腹痛、胃腸の虚弱を改善する漢方薬で、体を内側からしっかりと温めます。乾姜と山椒の強力な温熱作用と、人参の補気健脾作用、膠飴の潤い効果が組み合わさって、胃腸の不調を包括的にサポートします。虚弱体質で冷えを感じやすい人に特に適しており、体調を整えるために広く使用されています。