【経血の色が薄い・悪い・正常とは?】中医婦人科学
月経の周期異常と経血の色について望診をもとにして解説していきます。
※エビデンスがどうのこーので某薬剤師さんが炎上した案件なので参考程度でお願いします。
月経周期の異常とその診断ポイント
月経の周期が乱れると、体のバランスや健康状態が影響を受けている可能性があります。中医学では月経の周期異常を3つに分け、それぞれ異なる体質や症状と結びつけて診断します。
月経先期(周期が短い場合):
特徴:通常より早いタイミングで月経が始まることを指し、月経予定日より1週間以上早く来る場合、または周期が24日以下になることが目安です。
原因:気虚や血虚(気や血が不足している状態)、熱証(体内に余分な熱がある状態)などが考えられます。気虚があると気が全身に巡らず、血流も早くなりやすいことから、周期が短くなります。
月経後期(周期が長い場合):
特徴:月経が遅れる状態で、月経予定日より1週間以上遅れ、周期が35日以上になる場合を指します。
原因:血虚、寒証(体が冷えている状態)、気滞などが関わります。特に寒証がある場合、血流が悪化し、月経の遅れや周期の延長が起こりやすくなります。
前後不定期(周期が不規則な場合):
特徴:月経が早まったり遅くなったりして周期が安定しない状態です。ストレスや体調変動によって不安定になることが多いです。
原因:肝気鬱結(肝の気が滞っている状態)や気血の不調が関係しています。肝気鬱結は、特に精神的なストレスに敏感なタイプに見られ、情志(感情)の影響で月経周期が乱れやすくなります。
経血の色とその診断の目安
経血の色は、体内の気や血のバランス、体質の状態を示す重要な指標とされています。色の違いにより、気滞や瘀血、虚証、実証などの状態が把握できます。中医学では色を食べ物に例えてわかりやすく説明することが一般的です。
色とその意味
鮮やかな赤:健康な状態を表します。血がしっかり巡り、気血のバランスが保たれている時の色です。シャケのような鮮やかな赤は、気血がよく巡り、体内のバランスが整っていることを示します。
淡い赤:気や血が不足している虚証が示唆されます。淡い赤色は血虚を意味し、体が冷えている可能性があります。体のエネルギー不足や血不足が原因で、体全体が疲れやすく、倦怠感や冷えを感じやすい人に見られる色です。
暗赤や紫がかった赤:瘀血や気滞がある場合に多く見られます。クコの実やナツメのような暗い赤色は、血流が滞っていたり、体内に冷えが溜まっていることを表します。気の巡りが悪く、気血の停滞や冷えが進むと、このような色合いが現れることがあり、月経痛なども起きやすくなります。
色見本の利用
対面カウンセリングを行う際には、経血の色についての理解を深めてもらうために、色見本を用いることが役立ちます。月経の色について話を聞くと、多くの人はその色について日常的に意識していないことが多いため、具体的な色の例があるとよりイメージしやすくなります。患者自身も次回の月経で色を確認しやすくなり、自分の体調をよりよく理解できます。
その他のポイント
色の変化:同じ周期でも、初日や中間、最後の日で経血の色が変わることがあります。これは自然な変化で、色の変動を含めて観察することが診断の参考になります。
自己観察の習慣:自分で経血の色や月経の変化を意識してもらうことが、体調管理や早期の体質改善に役立ちます。
月経周期の乱れや経血の色の変化は、体の内側からのサインです。これを通じて日常的に自分の健康をチェックする習慣をつけ、必要に応じて中医学的なケアを取り入れることで、バランスの取れた体調を目指すことができます。