【心の働きと養生】中医養生学
心の働きと関連する養生
五行と心の役割
五行説では心は「火」に属し、循環の原動力として血液を体中に送る働きを担います。
意識や精神活動にも関与し、健やかな睡眠を支えるための間接的な役割も果たします。
心血と心神の関係
心血は、心を支える重要な栄養基盤です。心血が不足すると、心の働きが安定を失いやすくなります。
具体的には、不安感、不眠、夢が多い、睡眠が浅いなどの状態につながることがあります。
心血が不足している兆候として、舌先が赤くなる、熱がこもるといった変化がみられることがあります。
養生の考え方
「心の時間」とされる午前11時から午後1時の間は、穏やかに過ごし、可能であれば15~30分程度の休息や軽い昼寝をとると良いとされています。
過剰な精神的・身体的負荷を避けることが、心を健やかに保つための基本的な方法です。
心と小腸の関係
五行の理論では、心と小腸は表裏の関係にあります。
小腸は、食べたものを「清」(有用な成分)と「濁」(不要な成分)に分ける働きを担います。
小腸の働きをサポートするためには、過度な水分摂取を控え、13時から15時の間は静かに過ごすことが推奨されます。
※子午流注 の理論から
夏の補陽の重要性
陽気と季節の特徴
夏は陽気が最も盛んになる季節であり、この時期の養生が秋冬の体調を左右します。
冷たい飲食物を過剰に摂取すると、秋冬に冷え性や体調不良が生じる可能性があります。
食養生と活動のポイント
生姜、ニンニク、ニラなど、体を内側から温める食材を適度に取り入れることが重要です。
日光を浴びることで陽気を取り込み、活動的な生活を心がけることで体の陽気を高める助けとなります。
冷やすことの誤解と暑さへの適応
夏の暑さは、単に冷やすことが正解ではありません。暑さを適度に体験し、体内に吸収することが重要です。
暑さに適応することで、秋冬の冷えへの備えとなり、季節を通じた体調管理に寄与します。