【再度復習!】六味地黄丸(六味丸)と八味地黄丸(八味丸)の違い
今回は、六味地黄丸と八味地黄丸について、生薬の科名を踏まえながら詳しく説明します。
六味丸
構成成分:
地黄(ジオウ) - ゴマノハグサ科
補腎・滋陰作用を持ち、主に血液や水分の補充に用いられます。
山茱萸(サンシュユ) - ミズキ科
補腎・強精作用があり、特に腎陰を補う効果があります。
山薬(サンヤク) - ヤマノイモ科
滋養作用が強く、消化器系の健康をサポートします。
牡丹皮(ボタンピ) - ボタン科
清熱・活血作用があり、血行を良くする効果があります。
沢瀉(タクシャ) - ユリ科
利尿作用があり、体内の余分な水分を排出します。
茯苓(ブクリョウ) - ハリギリ科
健脾・利水作用があり、消化機能を助け、体を整えます。
主な作用:
補腎・滋養、特に腎陰を強化するために用いられ、陰虚による疲労感、口渇、乾燥感などの症状に対応します。
八味地黄丸
構成成分:
六味丸の成分に加えて、以下の2つが含まれています。
桂皮(ケイヒ) - クスノキ科
温補作用があり、血行を促進する役割を果たします。
附子(ブシ) - ジョロウグモ科
強い温補作用を持ち、特に腎陽を補うために用いられます。
主な作用:
六味丸に温補腎陽の効果を加えたもので、腎陽が不足している人に対して特に有効です。冷えや疲労感、下肢の冷えに悩む方に用いられます。
主な違い
補う対象の違い:
六味丸は主に腎陰を補うのに対し、八味地黄丸は腎陽を補うことを目的としています。
成分の違い:
六味丸は6種類の成分で構成されていますが、八味地黄丸は桂皮と附子を加えた8種類の成分から成ります。
適応症状の違い:
六味丸は陰虚(熱感、乾燥感)に効果的であり、八味地黄丸は陽虚(冷え、下肢の寒さ)に効果的です。
まとめ
六味丸と八味地黄丸は、それぞれ異なる科の生薬を使用し、腎機能を補強する目的があります。患者の症状に応じて、適切な処方を選ぶことが重要です。