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日本人のきれい好きは神道からきている――宮司の経営Vol.04

清潔へのこだわり

日本人は「きれい好き」としてよく知られています。

日常的に手を洗ったり、お風呂に入ったり、玄関で靴を脱ぐなどの習慣を大切にしているのは有名です。

清潔さを大切にするようになったルーツですが、実は神道にあるといわれ、『古事記』において、伊邪那岐命が黄泉国での穢れを清めるために体を洗った禊が、お風呂に入る習慣のはじまりとされています。

お風呂でケガレを禊祓い

神道では穢れを「気枯れ」とも表し、汚いとか不潔であるというだけではなく、気力が失われている状態のことも指します。

そのため、毎日の入浴は、身体の清潔を保つだけではなく、心の穢れを祓い、リセットすることでまた健やかな状態にする重要な役割を担っているといえます。

掃除は自らも祓う大事なはたらき

さらに、日本における掃除も神道に由来していると言われています。

こちらも古事記に書かれているものですが、中天若日子(アメノワカヒコ)が死した際に喪屋をつくる場面があります。そこに「鷺(さぎ)を帚持と為」という記述があり、鷺がほうきを持つ役目を担い、掃除をしていたことが書かれています。

神職にとって掃除は重要な仕事のひとつです。
境内を清めることで神様の鎮まる場所を整えると共に、奉仕に向かう神職自らの心も祓い清めています。

このような考え方は、日本の学校文化にも反映されており、単にきれいにするだけの意味にとどまらず、生徒自らが掃除をすることで協力する心やものを大切にする精神を育んでいます。

一年を振り返り、心のほこりを祓う

神社では年末に「煤払い(すすはらい)」という行事が行われますが、家庭でも新年を迎えるために一年の汚れを落とす大掃除が行われます。

これも単に見た目のきれいさを求めるだけではなく、溜まったほこりを祓いながら、一年の振り返るをすることで、良き年をお迎えする大事な行事だといえます。

心身の禊祓いの習慣化

日本人の習慣には神道が深く根付いており、入浴や掃除をすることで日常的に心身を清め、リセットすることが大切にされています。

日々の生活にその習慣を取り入れることで、心の汚れや不安を取り除き、毎日を元気に過ごせるのです

仕事で疲れていたり、困難があったりした時こそ、身の回りの掃除をして整え、お風呂に浸かってゆっくりとくつろぐことで、明日の活力を漲らせることができるでしょう。

廣田神社第17代宮司 田川伊吹

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