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【美術】グッゲンハイム美術館 作品群②

スペインのビルバオにある、グッゲンハイム美術館について書いています。
僕は絵がすごい苦手で、中学の美術の成績は5段階で2だったのですが(笑)、美術品は好きなのです。

中に入ると約12メートルの高さのLEDライトを9本並べた作品があります。
概念芸術家のジェニー・ホルツァーの『ビルバオのためのインスタレーション』です。
ジェニー・ホルツァーはユニクロともコラボした有名な女性現代美術家です。

■ジェニー・ホルツァー(トップ画の出典元)
https://www.greelane.com/ja/%E6%96%87%E7%B3%BB/%E8%A6%96%E8%A6%9A%E8%8A%B8%E8%A1%93/jenny-holzer-art-biography-4176548

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出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%BC

内容は、エイズの恐ろしさと、あとに残された人の苦悩を表した内容が大地から湧いてきて、天から降ってきます。

「わたしは激しく泣く、、、、血があった、、、、だれも話してくれなかった、、、、わたしは自分の頭を埋める、、、、あなたの頭を埋める、、、、あなたを埋める、、、、」

表面は英語とスペイン語が赤文字で流れ、後ろ側は同じ言葉がバスク語でブルーの発光ダイオードで繰り返されます。

スペイン北部のバスク自治州などにおいて、主にバスク語を用いて初等教育・中等教育を行う学校のことをイカストラと言います。
スペイン内戦時に共和国側が敗れた際、公の場でのバスク語の使用は禁止され、全ての教育機関はスペイン語で教育を行うよう強いられました。
使うことを禁止されたバスク語が後ろ側に使われることが作者からのメッセ―ジになっています。

スペインの成人エイズ感染率はEU圏で一番多く、その中でもバスク自治州はヨ-ロッパ有数のエイズ患者多発地域であることも、この作品を作ったことに関係しているのかもしれません。

バスク語になると部屋がブルーに暗く輝き哀しい思い出で満たされた空間になります。
じっと作品を眺め言葉を読んでいると、湧いては消えていく言葉の繰り返しに不思議な感情がこみ上げてくるのではないでしょうか。

吉村先外

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