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JR東日本パスの旅_1日目①「サンライズ遅延~パス旅開始~碓氷へ」

こんにちは、結城弘です。

こちらは昨年10月、JR東日本乗り放題切符「JR東日本パス」を使って東日本を周遊してきた旅行記です。

JR東日本パス

前回の記事はこちらです⇩


1. サンライズ出雲、遅延


「沿線火災のため停車しておりました。70分遅れで、まもなく倉敷です」


10月14日夜(東日本パスの旅・0日目)

初めて乗車したサンライズ出雲の個室で仮眠から起きた私は、繰り返される遅延のアナウンスに呆気に取られていました。

どうやら私が仮眠をとっている間、沿線で火災があった関係でサンライズはずっと停車していたよう。

寝泊まりしたソロ個室
明かりを消した個室


サンライズはアナウンス通り、70分ほどの遅れで倉敷に到着。
本来なら岡山を過ぎ、姫路に着く時間帯です。

出発。そして山陽本線を走行中、日付が変わりました。


10月15日。JR東日本パス1日目の日です。


1日目の予定をざっくり説明すると、

〇午前7時過ぎ、東京駅着。JR東日本パス発券。群馬県横川駅に移動
 ↓
〇横川駅着。1時間半ほど「碓氷峠鉄道文化むら」で過ごした後、「廃線ウォーク」というイベントに参加
 ↓
〇徒歩で碓氷峠越え。軽井沢駅から千葉県の銚子駅へ

横川駅そばにある「碓氷峠鉄道文化むら」を訪れるのは初めてで、せっかくだし園内を散策してみようかなと考えていました。

しかしこのまま遅延状態で東京駅に着くと、スケジュールの関係で、現地についても文化むらに滞在できるのは30分あるかないか。散策は諦めざるをえません。

まぁ、でも仕方ないです。
それよりも火災の被害が最小限であったことを祈るのみです。

その後サンライズ出雲は姫路、大阪と関西圏へと入っていきます。

サンライズは関西圏へ
明石海峡大橋
京都駅すら通過してみせるサンライズ。深夜作業の方々


「最寄り駅をサンライズ通過するから、駅の近くで見送ったるな」

そう約束してくれていた友人ですが、友人も朝には出勤する身。
遅延のことを伝え、相談の末、迎撃はまたの機会にしてもらいました。
実は今回のサンライズの旅で一番楽しみにしていたことなので、へこむ。

やがて出身地であるる滋賀の地をノンストップで駆けていくサンライズ。

滋賀県・三上山

故郷を離れた後、またひと眠りし、早めに起床。時刻は午前4時すぎ。
浜松駅を過ぎる頃に、東の空が明るみはじめました。

しかし空は曇りぎみ。サンがライズする様子をはっきりと見られず、私の心に暗雲と焦りがたちこめます。

午前5時過ぎ、富士山が見えました。

堂々と屹立する富士山に対し、私の心はそわそわと焦るばかり。
スタートラインにすら立てていないのに、どうしてこうトラブル続きなのだろう。スムーズにいってくれないのだろう。

この旅はひょっとしたら楽しいものにならないのかもしれない。

否応なく気分が落ち込みます。

2. 東日本パス発券! スタートラインに辿り着く


外は朝を迎え、そろそろ熱海駅に辿り着こうという頃。
私は決断しました。

「鉄道文化むらは諦めよう」

仕方ない、ゆったりと残りのサンライズ旅を楽しもう。

納得のいかない自分をそうなだめようとしていた時でした。

考えごとをしていて聞き逃していた車掌さんのアナウンスが、ようやく耳に入ってきました。

――熱海駅で新幹線に乗られる方は、その旨車掌にお伝えください

私の頭の中が、日の出を迎えました。

新幹線! そうだ、熱海駅から新幹線に乗れるんだ!

慌てて時刻表を繰り、行程を確認。

いける。

熱海駅から新幹線に乗れば、予定通りの時間に現地に到着できる。

そして東京駅から発券予定だったJR東日本パス。
実は熱海駅もパスの範囲内で発券も可能なのです。

熱海駅まであと10分。

ひとまず大急ぎで荷物をまとめ、それでもギリギリまで考えます。

「本当に検討した経路でうまくいくのか」
「発券に手こずって予定の新幹線に乗れなかったら水の泡では」
「単純に、めっちゃ不安」

堂々巡りの私を置いてけぼりに、サンライズ出雲は熱海駅に滑り込みます。

――このまま乗っていたほうが安定でしょうに。

弱気の思考にその言葉がよぎった時、私はふっきれました。

こんなおもろい旅で、安定なんてつまらん手を打ってたまるか

ミスったら、そのときはそのとき。今日は今日の風が吹く。
そして私は、サンライズ出雲を飛び降りました。

熱海駅にて

ロクに見送ることもできず階段を降り、改札外の券売機へ。
落ち着いて券売機を操作し、そして、


JR東日本パス、発券

JR東日本パス。
何気ない「ステキな3日間をお楽しみください」の文言が特別感あってワクワクしました。


早速パスを改札機に通し、いよいよJR東日本パスの旅、スタートです

構内を抜け、新幹線の改札へとやってきます。早速改札にパスを通そうとしたところ、

サンライズ出雲から新幹線乗り換えの方はおられませんかー?

と、呼びかける駅員さんがおられました。

その声に引き寄せられ、サンライズの乗客だと駅員さんに告げると、「振替乗車票」なるものを渡され、改札横の出入り口に通されました。

私は「ふーん、こんな券あるんだ」くらいに思いつつ、無事予定していた新幹線に乗車。東京駅を目指します。

3. 凡ミス発覚、からの碓氷峠へ



東京駅

東京駅に着きました。
東海道新幹線から上越・北陸・東北新幹線のホームに向います。
両新幹線の間の改札に、颯爽と東日本パスを投入。

ポーン、と弾き返されました。

「え、なんで?」と焦る私。ひとまずに改札の駅員さんに尋ねます。
すると東日本パスを一瞥した駅員さんが一言、

東日本パスだと東海道新幹線は乗れませんよ。どうやって来られたんですか?」

しばしの間を置き、私は「あ」と思い出す。
確かに熱海駅はJR東日本パスの範囲内ですが、東海道新幹線は東日本パスの対象外なのです

事前に調べていたはずなのにすっかり忘れていた私。
あれ、じゃあなんで新幹線に乗れたんだろうと疑問が湧きますが、手持ちにの「振替乗車票」を見て、ようやく気づきました。

サンライズ出雲が大幅に遅延した際、料金はそのままで新幹線に乗れるという仕様があったことに。
手元の「振替乗車票」はその証明だったのです。

つまり私が東海道新幹線に乗れたのはサンライズ遅延による特別措置のためであって、東日本パスのおかげではなかったのです。

じゃあ熱海駅の改札でもし駅員さんが早めに撤収されていたら、サンライズ遅延の仕様に気づかず、余計なお金を払って新幹線に乗るハメになっていた可能性もあったということです。

結果オーライとはいえ、今さらながら冷や汗をかきつつ、駅員さんに改札を通してもらい、群馬へと向かう新幹線に乗り込みます。

新幹線の席に着く私。
でも、この頃には不思議と胸のドキドキはプラスに転じていました。

昔なら、あらかじめ計画をガッチガチに組んで、トラブルがあって計画通りにいかなかったらそのたびにカリカリしていた私。

でもこの時の私は、「ま、おかげで珍しい体験できましたわ」とほくそ笑む余裕がありました。いつからこうなれたんでしょうね、不思議です。

「無効」のスタンプが押されたサンライズの切符。
これはこれであり。


新幹線が発車します。


さぁ、いよいよJR東日本パスの旅、本番スタートです!

※今回のルートは灰色のラインとアイコンで表示


⇩ 次回は「碓氷峠鉄道文化むら編」です。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。
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