【五丁目ラジオ】美味しんぼ完全感想コーナー~きょうのしろう~#000
このコーナーでは、新井(あらい)・上妻(あがつま)の両名がそれぞれの視点から、1988年10月17日から1992年3月17日まで、日本テレビ系列で放映されたテレビアニメ『美味しんぼ』全136話について、毎回感想を発表していきます。ことの発端は、新井さんがアマプラで『美味しんぼ』を何周もみてしまったことがきっかけですが、上妻も幼少期に美味しんぼの単行本を買っていたというノスタルジーからこの企画はスタートしています。「きょうのしろう」という副題の通り山岡士郎の人間像にもおもしろおかしく迫っていこうと考えています。
オープニング・エンディングのアニメーション
第1話「究極のメニュー」は上妻が担当します。よろしくお願いします。
まず『美味しんぼ』についての基本情報はウィキペディアを参照していただくとして…。
でも話しておきたいのがオープニング・エンディングのアニメーションです。初代のオープニング・エンディングはアニメを見慣れた人なら当然お気づきかと思いますが、Eテレのおかあさんといっしょでお馴染み、そう、みんな大好き南家こうじさんです。代表的なもので言うと、うる星やつら、めぞん一刻、あんみつ姫などのオープニング・エンディングなどを手掛けています。
で、南家さんが料理テーマにしたアニメのオープニング・エンディングをどう表現するかを考えたときにどんな手法で攻めたかと言うとですね「色と形」、それから「動き」なわけです。アニメーションなんだから当たり前だろうと言う感じですが、普通は登場人物をもっと全面に押し出してくるはずなのですが、ご存知の通り山岡と栗田という主要キャラクターは、アニメーションさせてどうこうというタイプのキャラクターではありません。
結城めぐみさんの『YOU』が流れる中、絵筆が何かをを「ささっ」て書いていく様子がアニメーションします。見ていくと「ああなんか料理だな」っていうのはわかるけれどなんの料理かはわかんないという、「これが何かは想像にお任せ」という点ではロマン主義っぽい。でも、本編では料理をしっかり描いているという点で古典的なのでこのオープニングはめっちゃ憎い。
花びらと水
くわえて、「花びら」と「水」っていうのがオープニング・エンディングの共通のモチーフになっています。エンディングでは、水面(水中?)に光が反射する様が描かれています。そして、途中から花びらが舞うというかんじなのです。
これ、きっと花は栗田を象徴して、水は山岡を象徴しているんじゃないかって考えたんです。栗田→「華やか」→花/山岡→「クール」→水。でも、よくよく考えると、最終的にはこれは逆なのではないかという結論に達しました。「水があって花が咲く」という構造がここにはあります。そういう意味で、山岡という花は、栗田という水があって咲くという、そういう意味なんじゃないかと思ったわけです。