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第十八話:愛はがんをも癒す

「がんです」そんな宣告を受けたら、あなたはどう感じるだろうか。著名人ががんになったと告白したことが時々テレビで流される。その報道は、いまだに「がんは不治の病」ととれるような偏向した伝え方になっていることも少なくないように感じる。

これから、がんについてお話をしようと思うが、その前に、がんがどのようにしてできるのか、あなたはご存じだろうか。いまはここまで解明されているので、一度目を通してほしい。

国立がん研究センターのページに、解りやすく書かれているので引用する。

がん細胞は、正常な細胞の遺伝子に2個から10個程度の傷がつくことにより、発生します。これらの遺伝子の傷は一度に誘発されるわけではなく、長い間に徐々に誘発されるということもわかっています。正常からがんに向かってだんだんと進むことから、「多段階発がん」といわれています。
傷がつく遺伝子の種類として、細胞を増殖させるアクセルの役割をする遺伝子が、必要ではないときにも踏まれたままになるような場合(がん遺伝子の活性化)と、細胞増殖を停止させるブレーキとなる遺伝子がかからなくなる場合(がん抑制遺伝子の不活化)があることもわかっています。
傷の種類として、DNAの暗号に異常が生じる突然変異と、暗号自体は変わらなくても使われ方が変わってしまうエピジェネティック変異とがあることがわかってきています。
正常な細胞に決まった異常が起こると、その細胞は増殖します。そこに第二の異常が起こると、さらに早く増殖するようになります。この異常の積み重ねにより、がん細胞が完成すると考えられます。

正常な細胞の遺伝子が傷つき、長い間に徐々に誘発されるということなのだ。この「長い間徐々に」というのが、とっても重要なキーワードなので覚えておいてほしい。

私が2度めに宗像恒次に出会ったのは、「日本ウェラー・ザン・ウェル学会」の2008年12月20日。
その前に、この大会のことを私はブログに綴っています。
この学会は、NPO法人ガンの患者学研究所の代表川竹文夫によって創設されたものだが、大会では「なおったさん」が舞台に上がり、闘病中のがん患者さんに、あなたもこうなれると希望を与え、勇気づけられていたのがとても印象深く残っている。


宗像がカウンセリングやコーチング中心だったヘルスカウンセリングを、「SAT療法」というセラピーに発展させていった背景に、弟さんをがんで失った悔しさがあると聞いたことがある。それで、キメラ理論が出てきて、当時「常識」として理解できなかった私は、一時ヘルスカウンセリングと距離を置くこととなったのだが、時代が変わったというか、波動や量子理論が一般的になったことで目に見えないものも受け容れやすくなり、さらには、進化したSATセラピーの威力を肌身で感じた私は、もう、なんの抵抗もなく、これを世の人に知ってもらいたいと思っている。

がん抑制遺伝子

宗像は「がん抑制遺伝子」というものがあるということを教えてくれた。これは、ヘルスカウンセラーの資格取得のための学科試験に出題されたのでしっかりと覚えている、RUNX3、RB、p53…。

SAT療法の開発当時、宗像は、クライアントの血液を採り、セラピー前後の、これらがん抑制遺伝子の活性度を調べている。
その成果は「SAT療法」「遺伝子を味方にする生き方」「健康遺伝子が目覚めるがんのSAT療法」などの本にまとめられている。

再度、先に紹介した国立がん研究センターのページから「がん抑制遺伝子」の説明を引用する。

がん遺伝子が車のアクセルとすると、そのブレーキにあたる遺伝子が、がん抑制遺伝子です。がん抑制遺伝子は細胞の増殖を抑制したり、細胞のDNAに生じた傷を修復したり、細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導したりする働きをします。DNAの傷が蓄積するとがん化に結びつくので、修復が必要です。異常細胞が無限に増殖しないように、異常を感知して、その細胞に細胞死を誘導することも必要です。このように、がん抑制遺伝子はブレーキの働きをしていると考えられます。
これまでの研究から、いくつかのがん抑制遺伝子が発見されましたが、代表的なものは「p53遺伝子」、「RB遺伝子」、「MLH1遺伝子」等が知られています。それぞれ細胞死の誘導、細胞増殖の抑制、DNAの修復に重要な働きを持つことがわかっています。

がん遺伝子とその抑制

同ページから、「がん遺伝子」についても引用しておく。

ある遺伝子に傷がついたときに、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になる場合があることが知られています。このような遺伝子は、がん遺伝子と呼ばれています。多くの場合、がん遺伝子によってつくられるタンパク質は、正常細胞も増殖をコントロールしていますが、その働きが異常に強くなることにより、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になります。
例えば、「myc」と呼ばれるがん遺伝子の場合、1個の細胞あたりの遺伝子の数が増えることにより、「myc遺伝子」によりつくられるタンパク質が増えすぎて、際限ない細胞増殖を引き起こすことがわかっています。また、「ras」と呼ばれる一群のがん遺伝子は、特定の場所に傷がつくと働きが過剰な状態になり、やはり際限ない細胞増殖を引き起こすと考えられています。
このようにがん遺伝子の変化は、特定のタンパク質の働きを異常に強めることにより、がんにつながる増殖異常を引き起こします。したがって、そのタンパク質の作用をうまく抑えるような薬を見つければ、細胞ががん化することを防いだり、すでにできているがんの増殖を抑えたりすることができます。

「ある遺伝子に傷がついたときに、細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になる」のが問題なので、この状態が解除できれば、がんは増えない。さすがに国立の研究施設、発想がどうしても「薬」に行くのは、仕方ないのかな。


末期がんから生還した人たちも、この世にはたくさんいて、書店に行くといろいろと並べてある。
アニータ・ムアジャーニというインド人の方の本が目に留まり、読んだことがある。彼女は4年以上がんと闘い、全身に広がったがんで臨死体験をしたのち、すべてのがんが消え去ったという経験をした。それが「喜びから人生を生きる!」という本にまとめられているので、興味のある人は読まれるといいだろう。

「訳者あとがき(奥野節子)」の一部を引用しておく。

臨死体験中、アニータは、自分ががんになった理由は、「人と違う自分を責め、ありのままの自分を愛せなかったからだ」と悟ります。いつも他人と比較し、自分は愛されるに値しないと信じ、他人に認められたいと努力してきた結果、そのような恐れや不安が癌となって身体に現れたとわかったのです。そして、「私はありのままですばらしい存在なんだ!自分らしさを表現することが人生の目的なんだ!」と気づき、この大切なメッセージを伝えるために、彼女はこの世に戻ってきました。

いかがですか。
これまで私が、何話かに分けてお話ししてきたことと、まったく同じことを言っているでしょ。

このように、たとえ末期であったとしてがんは治らない病気ではないし、がんがありながら元気にしていた人が、急に衰弱し、あっという間に亡くなってしまうなんてことは、まずあり得ない。それが、手術をした途端、化学療法を行った途端、命を落とすということは、どういうことなのか、よく考えてほしい。

日本人の3割超ががんで死ぬ時代

協会けんぽのページには、こんなことが書かれている。

日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡しています

これを見て、あなたはどう感じるだろう。
私は、異常だと思う。あまりに不自然な数値。元々日本には、そんなにがんが多かったことはない。これはなにを意味するのか…。
日本の食は大丈夫か、原発事故の放射能は、働き方改悪によるストレスは…。
そしていまは、緊急事態宣言発動となった新型コロナウイルス。
その偏向した報道を見るストレス、そして活動制限、
一体どれだけのストレスになっているのだろうか。

東日本大震災の直後、宗像は、放射能自体もそうだが、放射能を浴びたというストレスの方もとても危険だとし、私は学会のホームページにメッセージを挙げるよう要請を受けた。それがこれ。
http://www.healthcounseling.org/disaster00.html
そこに提示された「災害ストレス対策」の中に、イメージの力を使ってストレスを鎮める方法が示されている。
http://www.healthcounseling.org/disaster02.html

行動制限のされる中、独りぼっちで不安になった方は試してみてほしい。また、希望される方には、私もzoomなどでオンラインカウンセリングやセラピーを試してもいい。

ストレスをコントロールしてがんを防ぐ

第十五話にも書いたが、宗像は、ストレスからさまざまな病気になることを教えてくれた。そして、究極、心に出たものがうつ、身体に出たものががんなのだと。そう簡単にがんにはならない。ストレスに10年曝され続け、ずっとダメージを受け続ける。冒頭にお話しした「長い間徐々に」ということなのだ。だから、がんになる前に、ストレスをうまくコントロールすることがなにより重要。でも、このそれがなかなかしづらいいまの世の中であることも事実なのだ。

私は31歳の時、直属上長のパワーハラスメントに遭い、一時職をはく奪されたことがある。朝、会社の鍵を開けて掃除をしたら、夜、一番最後に戸締りをして帰るまで、会社の中にいなくてはならない。でも昼間の仕事はない。インターネットもない時代。この時のストレスサインは半端なかった。人を信じることができなくなり、そんな状況に置かれても我慢している自分が嫌いで仕方ない。そのうちに、まともに人と話すこともできなくなった。業務時間外に、以前の部下が心配して声をかけてくれる。でも私はそれにうまく応えられない。なにか話そうとしても、カラダがぶるぶる震え、声にならない。妻に相談することもあった。もう耐えられないから、会社辞めてもいいよねと…。
息子が生まれたばかりで、義父から辞職を制止された私は、この状況下で1年程耐え抜いた。心身ともにボロボロ、どん底を味わった。しかし、この経験は、私を優しく、強い人間に変えたのだった。

宗像は、経験から治りやすいがんと治りにくいがんがあることも教えてくれた。これがまた、第七話でお話しした「心の本質的欲求」、3つの愛と関連しているというから、とても興味深い。ただ自分が無条件に愛されている、そう感じることができれば消えていくがんがある。婦人科系のがんだそうだ。乳がんは時々芸能人が告白して話題になる。米国女優のアンジェリーナ・ジョリーは検査でがん抑制遺伝子の1つBRCA1の変異がみつかり、乳がんの発症リスクが高いということで、がんになる前に両乳房の中身を取ってしまったという。なんと極端な発想だろう。
また別建てで、コラム的に書こうと思っているが、ゲノムの守護神 p53 がスイッチオンすると、すべてのがんが消えていくという。

あなたがもし、がんだと宣告されたら、あるいは身内にそんな人が出たとしたら、深呼吸して、これらのことを思い出してほしい。がんは人を即死させるような病気ではない。がんに対してあなたが採れる方法は多岐に渡る。


《参考》
以前、私のブログここからぶろぐに書いたがん関連の記事

・身体活動量と大腸がん
 https://yuustar.at.webry.info/200702/article_11.html
・がん予防の身体活動
 https://yuustar.at.webry.info/200711/article_5.html
・めざせ!ガン完全治癒
 https://yuustar.at.webry.info/200810/article_17.html
・「あるがままの自己」を表現しよう
 https://yuustar.at.webry.info/201102/article_2.html
・がん様様
 https://yuustar.at.webry.info/201107/article_7.html
・いまだ増え続けるがん患者に思う
 https://yuustar.at.webry.info/201405/article_7.html
・「発ガン性のある食べもの」とのつきあい方
 https://yuustar.at.webry.info/201502/article_1.html
・がんは自分が治す
 https://yuustar.at.webry.info/201506/article_4.html
・なんのために生きているのか?
 https://yuustar.at.webry.info/201901/article_3.html
・池江璃花子さんの白血病に思う
 https://yuustar.at.webry.info/201902/article_7.html

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