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いまある認知は誰のもの?

このところ「SAT療法」について紹介させていただいてきました。これまでの常識だけでは理解しがたく、読み進めるのを止めてしまった方もおみえになるかもしれません。
もちろん、ソーシャルスキルを修得するだけでも、人とのコミュニケーションは格段によくなります。これまで苦手で避けてきた相手とも、なんとか上手くやれるようにはなってきます。そのことは8月、ココナラブログに書きました。

でも、心がついていかないってことが起こるんです。
私もヘルスカウンセリングを知る前、自律神経失調で苦しんでいた頃、森田療法を勉強し、やったことがあります。内観法やバイオフィードバック、自律訓練法やその他のリラクセーション法もたくさん試しました。
自分のものの考え方や受け取り方に偏りがあるから、それを「変えないといけない」。そういう観点で変容に取り組むと、頭ではわかっているけれども、気持ちがついていかなくなり、変われない自分を責めてしまうんです。「もっと要領よくなれ」と言われ続け、ずっと、できない自分が苦しかった。まるで修行僧かと感じたこともありました。
嫌いなものは嫌い、嫌なものは嫌、恐いものは恐いんです。苦手なものは苦手なんです。この感情があるから、認知は簡単には変わらないんです。

2011年7月24日、「認知」をテーマに、私はこんな記事を書いていました。



今日は認知の話をしたいと思います。
前に認知行動療法について、少しお話ししました。

認知行動療法では、

人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから認知の偏りを修正し、問題解決を手助けする

と考え、その療法の流れは、、
認知・思考の意図的変化→感情・気分の変化→行動の変化
であると。

では、この「認知の偏り」はどこからくるのでしょう?

私の心の恩師・宗像恒次は、次の3通りの情報の混同があるからだといっています。
①自己と他者との人格性(社会性)混同
②過去、現在、未来の時間性混同
③粒子、分子、生物、人間などの媒体性混同
欲求、情動、感情、ストレスなどの認知は、現在の自分のものと捉えるのが「常識」ですね。
しかし宗像は、それらの認知が、

世代間伝達した身体性(自己の遺伝子の細胞記憶、キメラ細胞の遺伝子や細胞記憶、身体感覚など)に支配されており、いつの時代の誰のものの認知か、人格的、時間的な情報混同が見られるとし、開眼時の私たちの通常の顕在意識(脳波β波優位の明晰意識)では、自己のものか、他者のものか、過去のものか、現在のものか、予知から生まれるものかを区別して自覚できない

としているんです。

とても興味深いお話でしょ?
えっ!難しすぎるって...? ですよね。

これまで、こんなことを書きました。

【キメラ細胞】

【スクリプト、心理パターン】

【エピジェネティクス】

まだ「細胞記憶」については、書いていませんでしたね..^^;
宗像の説を理解するには、深い知識が必要になりますが、ここにキーワードを示しておきましょう。
・脚本
・ミラー神経細胞
・キメラ細胞
・エピジェネティクス記憶
・スピリチュアリティ
・共感覚
・潜在意識

宗像は、この「情報混同」があるために、自らの対処行動では欲求を満たす見通しが持てず、また、まわりの人たちに助けられているということも認知できない嫌悪系情動状態(すなわちストレス状態)が生じるのだといっているんです。
だからSAT療法では、いつ起きたことなのか、誰が経験したものなのかの「弁別」を行い、セルフコントロール力を高めようとしているのですね。



SAT療法の基礎理論をお伝えしようとすると、やっぱり難しくなってしまいますね。
でも、いまのSAT療法は「情動認知行動療法」という手順のワークシートがあり、それを使ってセルフケアできるようにまでなっています。とりあえず、理論を知らなくてもやれて、なんかスッキリした、気持ちいい、いままで気になっていたことが全然気にならない、このままでいいんだ、あれやってみよう…なんて変容まで起きてしまうんです。
私は様々な心理療法を自分で試しましたが、こんなに進化し続けるセラピー法を他に知りません。

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