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2023年10月第3週「セザンヌヘアケアマスカラ=ZARAのピアス」

サロンシネマで『エリザベート1878』を見た。
本作はシシィの愛称で親しまれるオーストリア皇妃エリザベートが40歳だった一年間を描いた映画。

ミュージカル『エリザベート』はビッグタイトルで、宝塚歌劇版の映像はだいたい見たし、2014年の花組、2015年2016年の帝国劇場版は観劇もした。
だけど、これが30歳か50歳の一年だったら見逃していたかもしれない。今回はタメの女の人生を見届ける覚悟で、一週間の限定上映期間を逃さぬよう映画館に足を運んだ。この姿勢で映画を見たのは『1982年生まれ、キム・ジヨン』以来二度目になる。1982年生まれ、40歳、私。
小中高とクラスメートと全然うまくやれなかったくせに、同じ年の人に出会ったら心が浮き立つようになった。

40歳の私の身体のことを記録しておく。
夜のラーメンが胃にもたれるのは数年前から。老眼はまだ。体調はわりといい。生理周期は17日~38日で、不順に見えて一年単位では昨年と似ているような。体重は高校生のときと変わってないが、若い頃からずっと痩せられないだけ。指の節感が母に似てきた。
1,2年前からこめかみのあたりに白髪が生えるようになった。結婚していたときは夫が抜いてくれていたが、いまはセザンヌヘアケアマスカラを持ち歩きつつ、髪に筋状のカラーを入れている。セザンヌのヘアケアマスカラはコームの大きさにびっくりする。わかってるのに毎回ちょっとウケてしまう。ZARAのピアスみたいに。
白髪は下半身にも一本ある。VIO脱毛は黒に反応するらしいので、こいつとは一生の付き合い。

ちなみに『エリザベート1878』は面白く見たが、いま生きている40歳女としては受け入れたくないラストだった。美しかった。爽やかだった。個人としてはわかってあげたい。でも、正しいとは思えない。人生は正しいか正しくないかではなく、そこから溢れるものを描くことこそが映画の重要な役割だとは思うけれど。
まぁ、共感なんかできなくて当たり前かもしれない。同じ年であることは、ただ同じ年数生きてきただけに過ぎないのだから。それでもやっぱり、話している相手が1982年生まれだとわかったら、私は「え、同い年ですね!」と声を弾ませ続けると思う。


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