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【ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023】挑戦者の紹介VOL.16⦅合同会社Setolabo⦆
「広島から、ユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が高く急成長する企業を10年間で10社創出する」ことを目標に掲げた「ひろしまユニコーン10」プロジェクト。このプロジェクトの一環であり、事業の急成長を伴走支援する「ひろしまユニコーン10 STARTUP ACCELERATION 2023」に挑戦中の16社に、改めて事業の概要や今後の展望などをインタビューしました。
■合同会社Setolabo 代表 岡田 悠輝さん
「予防医療を通じて笑顔で健康な社会を作る」
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プロフィール
1993年生まれ、広島市安佐南区出身。YMCAや各種ボランティア団体を通して、オーストラリアやタイ、アメリカ、韓国などへのスタディーツアーに参加し、各国の抱える社会問題について学ぶ。修道中学・高校を卒業後、香川大学医学部医学科へ進学。文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」やグロービス経営大学院が実施しているG1カレッジなどを通して、多くの起業家などから刺激を受けたことをきっかけに、社会問題に立ち向かおうと医学部在学中の2019年に会社を設立。同年、医師免許取得を取得し、経営者と医師の二刀流に取り組んでいる。
― 事業内容は ―
香川県と大阪府にある衛生検査所で、がんや感染症の検査、遺伝子検査のサービスを展開しています。中でも、がんの〝超早期発見〟と、〝超早期治療〟につながる検査体制の構築に力を入れています。がんを患うと、ヒトの細胞に存在する小さなRNA「マイクロRNA」の種類や量が変動することが明らかになっています。現在、世の中にはこれを利用し尿を検査するサービスなどがありますが、精度や高額な費用に問題があります。当社は血中から直接マイクロRNAを検出し、がんを超早期発見できる体制の確立を目指しています。
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― がん検査体制の確立を目指すきっかけは ―
中学生の時、一緒に暮らしていた祖父ががんで亡くなったことをきっかけに医学の道を志しました。がんが見つかった時にはすでに全身に転移しており、日々弱っていく祖父を見て、「もっと早く見つかっていれば治る可能性があったかもしれない」と考えました。その後で亡くなった祖母の死因もがんでした。今まで医師としても多くのがん患者を看取っており、がん宣告を受けた時の患者や家族の表情はいつまでも忘れられません。もうこれ以上がんで悲しむ人を増やしたくない。だからこそ、がんを早期発見して、がんで死なない社会を作りたいと強く考えています。
― 他社サービスとの違い、強みは ―
尿による検査は自宅で取った尿で気軽に検査できる一方、自己採取尿という点で予測精度に問題があるうえ、価格も高いです。当社はさまざまな医療機関と提携を広げ、採血による検査を実施。医療機関を通じての採血というハードルはありますが、信頼性があり、精度、価格の面からも優位性を保てると考えています。現在、香川大学付属病院と実証実験を行っています。がんのリスクが高い高齢者や、基礎疾患のある患者の定期的な血液検査の際に併せて実施することで、がん検査がより必要になる層に直接アプローチができます。加えて、企業健診への導入を行い、現役世代にもがん検査を浸透させたいと思います。ゆくゆくは導入コストが安い点を生かし、健診のシステムが不十分な諸外国などへの展開も視野に入れています。
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― 事業拡大により世の中にどのようなインパクトを残したいか ―
一生のうち、2人に1人はがんになる計算です。治療は大いに進歩しましたが、未だ死因の第一位はがんです。現在、国による検診は、胃がん、子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5つですが、現状の検診率は3割程度です。国の予算が限られていることもあり、このままの検査体制ではがんの罹患率が大幅に下がることはあり得えません。また、遺伝子を解析することで、どのような病気になりやすいのかを解析するサービスの準備も行っています。これを基に日々の生活習慣を見直すなど、〝予防〟と〝検査〟で日々の生活を健康に送れるお手伝いをしたいと思っています。
― 今後の展望は ―
大阪の研究所を2025年頃、広島に移転する予定です。私は地元広島を世界一の医療都市にしたいと思っています。実は「ひろしま高校生平和大使」として渡米した際、広島に住むことが健康に影響すると誤解されたことがあります。被爆地として世界的に有名な一方、それによる多少の差別を感じることもあります。「平和都市ヒロシマ」を、「世界一の健康都市ひろしま」にし、自信を持って「I am from Hiroshima.」と言えるようにしたいです。
― 編集後記 ―
「予防医療を通じて笑顔で健康な社会を作る」という大きなミッションを持って本プログラムに臨んでいる合同会社Setolabo。さまざまな国へのスタディーツアーに参加するなど行動力あふれる岡田代表は大学生時代、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」という国費留学制度を用いて、定期的に延べ半年ほどタイに留学していました。ある地方病院では劣悪な衛生環境の中、一人の先生が毎日100人以上の患者を診るなど、次から次に患者が運び込まれる悲惨な状態を経験。終わりのない付け焼き刃の治療ではなく、ちゃんとした予防や検査の必要性を痛感したそうです。その時の恩を還元したいと、トビタテ!留学JAPANの支援企業として、留学支援の寄付や、海外留学支援活動も行っています。
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★☆ 合同会社Setolaboについての参照サイト ★☆
https://aicellex.co.jp/