自宅で簡単に健康診断⁉ サキガケメンバーのユーリアが広島市立大学に開発拠点を設置
健康診断で必ず行われる尿検査。健康状態を評価する一般的な検査ですが、忙しくて健康診断になかなか行けなかったり、費用のことも考えると「まぁいいか…」と後回しにしてしまったり…。それが自宅で簡単にできたら、しかもすぐに結果が分かったら、自身の体にもっと敏感になって、健康を意識するようになると思いませんか。
その実現に向けて開発を進めているのが、サキガケメンバーの「㈱ユーリア」。広島市立大学と産学共同研究を開始し、このたび同大学の研究室内に開発拠点として広島オフィスを設置しました。病気予防や早期発見・早期治療にもつながる画期的な研究拠点にお邪魔しました。
キットを使った尿検査で、体の状況がすぐに分かる日がやってくる!
訪れたのは、アミノ酸研究で知られる広島市立大学 大学院情報科学研究科 医用情報科学専攻の釘宮章光准教授の研究室。その一角で、尿中に含まれるアミノ酸濃度を手軽に家庭などで計測できるキットの開発を目指し、㈱ユーリアCOO(最高執行責任者)の萩原啓太郎さんが、釘宮准教授とともに共同研究を行っています。アミノ酸濃度を分析することで、体の状態をチェックすることができるのだとか。
㈱ユーリアでは、これまで体の栄養状態が2分で分かる尿検査キット「栄養コンディションチェッカー」を開発。9月から全国のドラッグストアで販売しています。検査キットのボックス(試験紙)に尿をかけ、スマートフォン専用の無料アプリのカメラで撮影すると、独自の栄養AIが栄養状態を判定し、検査結果が表示されるという優れもの。
この「栄養コンディションチェッカー」のノウハウを生かし、進化させ、尿中のアミノ酸濃度を分析して体の状態をチェックするするキットの開発を進めています。
通常、尿検査では尿分析装置などを使い検体を分析しますが、検査にかかる費用が大きいため、私たちの個人負担も…。開発中の検査キットは紙でできているので、単価も数百円程度と安価。より利用しやすくなります。液(尿)を試験紙の中心にたらすことで、液が自然に染みわたっていき(毛細管現象というのだとか)、成分の反応が出ることで色の濃度が変わる仕組みに。スマホで写真を撮ることで色の濃さを自動で解析し、数値で表示されるようなるそうです。
広島市立大学では、尿分析装置などの設備が整い、精密な分析が可能。そのデータなどと照合させながら、試験紙による研究が進んでいます。数年後の完成を目指し、将来的にはドラッグストアやコンビニなどで気軽に購入できるようにしていくとのこと。
簡単な検査方法、利用しやすい料金、いつでもどこでもできる手軽さ…。気軽な健康診断で自分の体の状態を常に把握できるようになれば、「笑顔で元気に長生きしたい」という願いもかなえられるはず。その日は、もうすぐそこかも!?