株式会社サイトセンシングが誇る基幹技術の1つは「3Dモデル作成サービス」。
市販のデジカメを使って現場で撮影し、画像を同社URLにアップロードするだけで3Dデジタルデータが作成されるというオドロキのシステムが構築されている。
今回彼らがD-EGGSプロジェクトにエントリーしたのも、この技術を活用した案件である。
代表取締役・平林 隆さん(62)の言葉通り、当初実証実験はリモートでの3Dモデル作成を中心に行われるはずだった。
しかし実験は予想外の展開を見せる。
アドバイザーとして参加するサムライインキュベート社との話し合いの中で、サイトセンシングとしてはオプション案件と考えていた「非GPS空間のドローン飛行と同時に撮影を実現して、その撮影画像を使って3Dモデルを作成する」というプロジェクトの方をメインで追求することにしたのだ。
実証実験の途中で研究内容が変化したというのは驚きだが、サイトセンシングにとってこれは嬉しい変更であると平林さんは言う。
平林さんも以前は経営コンサルタントをしており、産総研で現在の技術と出会ったことで会社の創業に至った経歴を持つ。
目下取り組んでいる非GPS空間のドローン飛行に適用しているのは、3Dモデル作成と双璧をなすサイトセンシングの基幹技術である「自律航法測位システム」だ。
この秋にはいよいよトンネル内でドローンを飛ばして、トンネル内部の3Dモデルの作成に挑む。
平林さんからはそんな意見も寄せられたが、もし非GPS空間での3Dモデル作成が成功すれば日本初の事例となる。
それが広島で実現したとなれば誇らしく思うのも、やっぱり人情なのである。