股改(グウガイ) 中国経済用語
2005年から2006年にかけて行われた中国の株式市場改革。股權分置改革を略して股改という(股權は「株主の権利」、分置は「配置」という意味)。法人株、国有株(国家株)など非流通株を流通株に切り替えたとされる。条件として投票中、3分の2以上の流通株主の同意を得る、とされた。そのため、流通株主の同意をえるために、流通株主に対して無償で株式を分けたり、現金を贈る、買い戻しをするなどの措置が取られた。このように流通株主に利益を与える改革であったので、この改革は意外にも円滑に進行した。また流通株化については、売却禁止期間の設定、売却が可能になったあとも売却上限の設定が行われた。それぞれの条件は、会社ごとに異なる。この市場改革は2006年末までにほぼ完成し、長年中国株式市場の問題として指摘されてきた非流通株問題は解消されたことになっている。
ただ中国市場の外部の人間からすれば、実態としてどこまで流通株化したのかやその影響は気になるところ。以下の劉論文は、その点を詳しく分析している一例。売買量の増加がみられるとか、個人投資家が、流通株化のリスクで慎重になったとしている。しかし、本当に流動化したのか、流動化といってもその売買は市場を通したものなのか、などは気になるところだ。
参照 胡汝銀等《中國資本市場的發展與變遷》世紀出版集團2008年,133-149.
劉家敏「株式分置改革の背景・内容と株価への影響」『みずほレポート』2009年3月31日
王春香「中国における非流通株改革によるコーポレート・ガバナンスの改善」『岡山大学大学院社会科学研究科紀要』29号2010年3月
百度百科中的股改
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