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都知事選と米大統領選は選択肢がない点で似ている

 アメリカの大統領選をみて、選択肢がないことに、つまり、バイデンもトランプもダメだという人に選択肢がないことに、アメリカ国民に同情する。しかし明日7月7日投票の都知事選も、どの候補者もダメだという人にとっては、同様に選択肢がない。
 小池百合子には経歴詐称のほか、権力臭を感じるが蓮舫にも全く同じ体質を感じる。蓮舫の相手を攻撃する人柄は、人として好きになれない。行財政改革の専門家を自ら任じるところも好きになれない。神宮外苑開発問題を提起したのはよいが、明確に開発を止めるとは言い切らない姿勢は打算を感じる。都政の勉強が不十分なまま、都知事選に名乗りを上げたことを感じる。蓮舫自身が、自民批判の受け皿として、自民批判の風を追い風にすることを打算していることが、蓮舫への失望を大きくさせる。都政に関した政策を出してそれを小池との争点にするのではなく、自民党批判の風に乗るだけの姿勢は安易に見える。
 では、石丸伸二はどうか。経歴や若さは魅力的だが、具体的な政策の方向性は見えない。確かに期待値だけでいえば石丸で、まずは石丸で小池を倒すのが一案ではある。石丸は具体的な政策を示さないことで、幅広い期待を集めている。ただエリートとしての自信にあふれた彼が、社会的弱者や、高齢者や女性にやさしい政策を打ち出すかには疑問が残りそれが懸念でもある。彼が理想とするのは競争社会ではないかという懸念である。
 このような意味で、日本の都知事選も小池がだめなら政策が不透明な石丸に投ぜざるを得ないという状況で、アメリカの大統領選がトランプを避けるには老化が著しいバイデンに投ぜざるを得ない状況と、似ていなくもない。
 私が都知事候補に望むのは、まず子育てにやさしい社会だが、これはすでに合意があり進められている。小池―蓮舫の間でも争点になっていない。問題は次の課題である。高等教育無償化の議論は起きていて、これも大きな流れとしてはその方向にあるのではないか(ただし私立学校に公費を使うことを疑問とする意見は根強い。私立学校側に透明性を高める強い努力が求められる)。そこでさらに外の課題の有無が問題である。
 私が考える別の課題は、様々な契約・取引で、年齢・性別・国籍による差別的取り扱いを禁止する条例を作ることである。ただ他方でここには、個人別の能力の違いをどう考えるかという面倒な問題がある。そこで限定を付けて、能力にほぼ違いがない場合、年齢・性別・国籍による差別的取り扱いを禁止する条例を作ること、としておく。高齢化・女性の社会進出・国際化をにらんで、このような条例の整備が必要なのではないか。

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