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姓社姓資論争 中国経済用語

 株式会社制度を導入する際に中国で行われた論争。1990年代初頭。導入支持派は株式会社そして株券市場の姓は社会主義であって、資本主義ではないと論じた(以下は《中國的股份公司與股票市場:姓“社”不姓“資”》在郝繼倫著《中國股票市場發展分析》中國經濟出版社2000年, 9-10の翻訳)(写真は成城大学。左が8号館。右が5号館。)

 中国社会主義制度のもとにある株式会社そして株式会社(股份公司)と互いに補完的制度として設立された株券(股票)市場の姓は、社会主義かあるいは資本主義か。これはわが国が株式経済と株券市場を発展させる中で、それが(そもそも)正しいのか間違いなのかという(大是大非)問題であり、必ず旗幟鮮明に回答すべき問題である。我々は株式会社の本質は、社会化された大生産と互いに連携する一種の資本組織形式であるが、異なる所有制との結合は直ちに異なる生産関係を反映すると認識している。そうであれば、わが国で、社会主義公有制を主体とする所有制メカニズムに結合された株式制は直ちに社会主義性質を帯びる(屬于),姓は社会主義であり、資本主義ではない。具体的に言えば、
 (1) 三つの長所は姓が社会主義か資本主義かを判断する唯一の基準(標準)である。わが国の株式会社と株券市場の性質はまた「三つの長所」を基準に判断するべきである。この角度から考察するに、(まず第一に)わが国の株式制改革はすでに企業に5000億元近くを集めた(籌集了)、これは国家産業政策に大いに符合しており、(その)今後も発展するものであるが、素質の良い企業が貴重な資金の支援を獲得したのである。(第二に)株式制改革は国有企業の現代企業制度への変遷を推進したし、目下、わが国上場会社は支出が収入を10%超過しているものの、資産回転率は明らかに国有企業より高い。ここから分かるように(第三に)、株式会社と株式市場はまさに社会主義生産力の発展を進めており、これはそれらの姓が社会主義であって資本主義ではない基本的理由(基本依據)である。
 (2)(また)わが国の株式会社の所有権の構造からみて、わが国の株式会社は明らかに姓は社会主義で資本主義ではない。まずわが国の絶対多数の株式会社はみな国有企業が自身を改造したものであり、目下株式会社の株主権構造の70%以上は国家そして国有法人の所有である。加えて上場流通株の最初の投資(原始投資)の源泉は社会主義生産中の労働報酬であり、同様に社会主義性質を体現している。
 総合して次のように言える(綜上可見)。わが国の株式会社と株券市場の姓は社会主義で資本主義ではない。株式制はわが国社会主義所有制の主要形式であり、「株券市場は中国人民が現代市場経済文化を学習する一つの学校である」(于光遠:《市場經濟論壇》,1992年12月)。党の第十五回大会(1997年9月 訳者補語)はこのことで次のように明確な結論を出している。「株式制は現代企業の一種の資本組織形式であり、所有権と経営権の分離に有利であり、企業と資本の運営(動作)効率を高めるのに有利であり、資本主義で使えるし、社会主義でも使うことができる。曖昧に(籠統地)株式制を公有制あるいは私有制だということはできない。肝心なことは支配株権(控股權)が誰の手にあるかを見ることである。」これは社会主義所有制理論の重大な打開(突破)であり、わが国株式経済と株券市場の発展の理論的基礎と前提をしっかり固めるものである(奠定了)。

    鄧小平は南巡講話(1992年1月から2月)のなかで次のように述べている。「証券、株式市場、これらのものが一体いいものかどうか。危険があるかないか。資本主義固有のものかどうか、社会主義では使えないかどうか。見てみようじゃないか。ただし慎重に試してみようじゃないか。見て良かったら、一二年やって良かったら、(それを)広げてはどうか。失敗したら、直せばいい。辞めてもいい。早く辞めてもいいし、ゆっくり辞めてもいいし、少し残してもいい。何を恐れているんだ。このような態度を堅持して緊張しなければ、大きな誤りはしないものだ。」《鄧小平文選第三卷》人民出版社,1993年,373

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福光 寛  中国経済思想摘記
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