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経済経営用語摘記

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#財務管理

アセットファイナンス asset finance

アセットファイナンス  資産証券化について、今日はそれをアセットファイナンスと呼んでいいかを問題にします。大事なことは、アセットファイナンスという言葉に、手元資産を売って資金繰りをつけるとか、中小企業が主として頼る手法であるなど、消極的な響きがあることです(写真は鬼子母神堂)。  アセットファイナンス。銀行のサイトでは、保有資産を活用した資金調達とでてきます。これは積極的な言い方です。しかし事業そのもの評価ではなく、保有資産の評価である点や、新規設備投資のための資金の話しでは

アセットファイナンスとは何か, Market Finance

Market Finance(London), What is Asset Finance 2022年10月7日閲覧  アセットファイナンスasset financeとは、会社の貸借対照表上の資産(例えば投資物や在庫)を貨幣借入れの担保に用いて貨幣を借入れたり、言い換えれば既に持っているものを守るため貸付を引き出すおなじみの行為である。それは事業のため運転資金を得る確実で容易な手段である。  在庫から機械、建物に至るまで様々なものが、担保として提供されうる。たとえば運輸会社

ROEと株主資本コストとの比較 ROICと加重資本コストとの比較 CCCの改善

自己資本利益率ROEの改善  財務管理の目標として好まれるものに自己資本利益率(R/E return on equity ROE)の改善がある。なぜなら、自己資本は企業の所有者の保有分であり、自己資本利益率は企業の所有者からみた資本効率あるいは資本収益性を示すと考えられるからだ。  次に資本コストとの比較は、事業の継続撤退・新規参入などの判断に生かすべきでしょう。 同業種企業の平均値は参考になる  それは分かるとして、では目標となる具体的数字はどこにあるのか。社会的に平均と

資金の内製と外製

「資金の内製・外製」概念の提起  資金調達を考えるときに、内部資金・外部資金と表現することがあります。内部資金とは、主として利益の留保(内部留保)を指し、外部資金とは借り入れ、社債発行、増資(株式発行)など、企業の外からの資金の取入れを指します。この区分けの場合、企業間信用の問題は、外部資金の問題に区分けされます。  しかし私は、企業のお金についても、商品を製造する時と同様に、内製・外製の区分けが可能ではないかと考えます。ここで内製とは企業内の判断や意思決定により、資金を生み

シナジー効果とコアコンピタンスー進出・撤退の論理 

事業展開で他社との関係はなぜ生ずるか  企業が、事業展開に際して直面する選択は、自社だけでやる(stand alone)か、他社と提携する(alliance)か、あるいは他社を買収する(takeovers)に至るか、といった選択です。なぜ自社だけでやるにとどめられないかというと、一つはspeedの問題です。重要なことが迅速性agilityであれば、自社だけでやることにこだわれなくなります。  つぎに事業展開の中身ですが、同業のまま規模を水平的に拡大する、川上(原材料方面)、川

破産 bankruptcy

 破産について語られるべきことは何か。破産法制の歴史をみると、最初は債権者保護が課題だったことが分かる。たとえば、借入にあたって担保としていた資産の内容に虚偽がある、取り立てようとするとその資産を移動してしまう。こうした債務者の「不正」に対して、債権者をいかに守るか。そしてその次が、清算をいかに秩序を持って進めるかという清算型破産法制の問題である。行き詰まった企業の残された資産を、債権者がルールなく我さきに確保しようとすることが起こりうる。破産の申し立てがあると、債権回収を一