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仕組み債がノックインした時のフォローの仕方

「すみませんでした」

と伝える。これだけです。
逆にこれしかないんです。

いきなり結論で申し訳ないです。が、仕組み債の商品の特性上、ノックインした時に何かできることがあるかと言えば何もありません。

基本的には途中で売る事も、同じものをナンピンする事もできません。

しかもノックインするということは評価損が大きく出ている状態になっているわけです。商品の特性上半値くらいには簡単になります。

為替や金利、株価など色々なものを参照指数にしているものがありますが同じことです。

仕組み債はそういう商品なんです。だから、仕組み債がノックインしてお客様に評価損が出たからと言って、何もできないことを悩む人がいたらそれはないものねだりです。

だって何も出来ないんですから。

私は仕事柄、証券マンやIFAの方とよく話します。

年明けから仕組み債が次々とノックインしたことから

「もし佐藤さんならどうフォローしますか?」

と聞かれるようになりました。それに対して私は

「すみませんでした。私がこんなものを勧めたばっかりに」

くらいしか言えないよね、と言いました。

特に私の付き合いのあるIFA会社は仕組み債に特化した会社も多く大変困っていました。

実は仕組み債を購入する顧客は、営業マンで買うのではなく、仕組み債の条件で買う人が多いんです。つまり条件が悪くなればすぐに他社に行ってしまう客が多いんです。

2021年は相場も良かったので、手数料が高く、お客様にも高いクーポンをつけられる代わりに、割とノックインしやすいような条件の仕組み債でも、現金償還を迎える事ができました。


それを使ってIFAに行った証券マンは結構簡単に元の会社からお客様を引っ張ってこれましたし、儲けさせる事もできました。そしてIFAに行った証券マン自身も儲ける事ができました。

去年まではIFAにきて良かったと多くの人が言っていたように思います。

しかし今それができなくなりました。

お客様にしてみれば、わざわざついていってやったのに損させやがってと言うことになりますし、仕組み債のノックインした時の損の大きさは相当大きいですから、うまく行っていた時と態度も変わります。

元々離れやすいお客様がどんどん離れているんです。

IFAは証券マンと違って会社に来ればとりあえず給料が貰えるわけではありません。

そんな時にお客様に何を言うか。

『私のせいですみません。こんなに良くしてもらったのに恩を仇で返すような真似をして。あなたは私にとって大事な方です。取り戻す最後まで一緒にやらせてください』

私だったらそう言うと思います。

ノックインで苦しんでいる証券マンのお役に立てれば嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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