Podcast感想#1 COTEN RADIO【お金の歴史】
皆さんは【 COTEN RADIO】ってPodcast、ご存じでしょうか。
20万人のリスナーがいる、人気コンテンツなので、視聴したことあるヒト、多くいると思います。
私も、2ケ月ほど前、コロナに罹りダウンしている時に、Podcast検索する中で、出会いました。以来、メチャクチャはまってます。
今、追いかけて視聴中ですが、まだまだコンテンツも多くあり、嬉しい悲鳴です^^。
COTEN RADIO は、株式会社 COTEN という深井龍之介氏が代表を務める、”歴史のデータベース”をつくることを事業とした会社です。
その広報事業として、歴史のキュレーションプログラムとして、 COTEN RADIO が位置づけられています。
代表、深井さんの事業ミッションがとても壮大で、”メタ認知のきっかけを提供する”。ヒトの認知をよりメタ化、つまり、より俯瞰的に捉えられるようにするというコトです。
歴史という人類が蓄積した知、ある種のパターン認識を通じて、メタ認知のきっかけをつくる。そのためのデータベースづくりと定義しています。
株式会社という利益追求する法人としては、とてもチャレンジングですよね。これに共感して、この企業を応援する、 COTEN CREW という月額で支援金を出すプログラムにも入ってしまいました。
さて、前置き長くなりましたが、この COTEN RADIOのコンテンツの感想を書いていきます。
#1は、【お金の歴史】です。
このコンテンツの感想は、「僕たちの経済って、こんな風に始まって、進化していったのか。資本主義って凄い!」
人類の”経済”のはじまり
最初の人類の”経済”って何か?
モノのやり取りでした。狩猟採取社会の中で、贈与の形態で発生します。
え、物々交換ではないの?と思いませんか。
違うようです。
最初は、同じ部族の”信頼”関係の中で、他者の”不足”に対して無償で渡す=”贈与”からスタートしたそうです。
なんか、ホッコリしますよね。
この後、他の部族、つまり”信頼”がない部族との間で、”取引”が生まれます。この時の取引は、”汎用性の高いモノ”として価値が測りやすいモノが出現します。例えば、石斧。コレ、切ったり、狩猟したり、色々使えます。
例えば、この肉と、石斧2個を交換。
これは物々交換でもあり、石斧という”貨幣”が生まれた瞬間でもあります。
えーーこれも”貨幣”?って思いませんか?
”貨幣”といえば、なんかコイン的なモノをイメージしてましたから、もっと、後世だと僕は思っていましたので、驚きでした。
時代を経て、メソポタミア文明。牧畜社会への移行が起きます。
毛皮や肉を、主食の小麦との取引が行われます。
ここで、より広域での取引となり、希少で持ち運び易く、腐らない、嵩張らないモノが”貨幣”として使われます。”銀のつぶ”です。この重量で取引が行われます。
ここで、銀という貴金属の純度が問題になってきます。
これを保証する形態として、国家が鋳造する”コイン”となります。
”コイン”は純度のみでなく、相応の価値があるという”信用”を、国家により保証することになります。国家の力が”信用”を生みます。
これにより、貸付、融資、預金 という金融機能も生まれます。
世界各地での貨幣経済の広がり
欧州ではどうだったか。
最初にコインが生まれたのが、今のトルコにあったリディア王国。行政の傭兵への支払いが面倒だったので、”コイン”という仕組みをつくり、これが欧州へと広まります。交易のためではなく、行政コストを下げるために発明されたのが、示唆深いですね。
中国ではどうか?
”子安貝”という希少な貝が、宗教的価値観で、貨幣として紀元前2500年前、殷~春秋戦国(キングダムの時代)まで使われました。出自が”宗教”で欧州とルーツが違います。
その後、始皇帝が中国統一した際に、半両銭という青銅コインに統一されます。始皇帝は、広大な中国を”法”で統治するシステムを作り上げる中で、”貨幣”や“度量衝”なども統一します。賢い。
この銅というトコロがポイントです。銀ほど希少ではありません。
これに価値を付与できたのは、中国統一王朝の権威が強かったからです。
鋳造技術も持っていただので、大量の貨幣を作ることができた。
この大量の貨幣で、非常に多くのリソース(ヒト・モノ)を集めることが出来たので、国家の力が強くなります。
イスラムではどうか?
イスラム教国家では宗教ベースにし取引が主体となり、商業が非常に発展します。これを支えているのが、アラビア数字です。他の地域よりも圧倒的に計算がし易い。欧州には十字軍遠征で、アラビア数字が広まります。
各地の貨幣の発展に、中央集権的国の権威や、宗教が大きく影響しています。これがとても面白い。
銀行機能の出現
銀行って、どんな機能を担っているでしょうか?
預金、口座、融資、手形決済 の4つの機能です。
欧州では、中世において、異国人が攻めてきたことで、城塞都市となり、交易が出来ず、経済発展ができませんでした。
11世紀、農業革命で余剰生産が出来るようになります。当時、十字軍遠征のムーブメントが起き、多額の遠征費用が必要となります。
この時、大量にお金を保有していたのが、海での交易を行っていたイタリア・ベネチア、ジェノバ。ここから資金調達をして、十字軍遠征を行います。
遠征結果としてトルコ沿岸に拠点を設けて、イタリアートルコ貿易が始まり、膨大な経済余剰が生まれます。
この時、コインでは輸送コストがかかります。
そこで、”手形”という輸送コストが低いモノで、コインとの交換を可能にする仕組みが出来ます。
この背景で、イタリア・ルネッサンスを支える、銀行家 メディチ家、フッガー家が生まれます。この仕組みが欧州全域に広まります。
出た!信用創造
銀行機能の中で、とても大切なのが、信用創造です。
銀行の貸付ですが、現預金の10倍程度貸付が出来ます。
え、現金よりも10倍も多いお金を貸しているの?って思いませんか。
現在の銀行運営は、そのように、”信用”を基に大きなお金を貸すことで、社会のお金という血を巡らせる心臓みたいな機能を担います。
(経済の専門のヒトに怒られそうな、ざっくとした説明ですが、、)
この信用創造が、17世紀 スウェーデン ストックホルム銀行が発行する銀行券が始まりと言われています。
この機能が、資本主義に直結します。
一方で、国の銀行、つまり貨幣を発行できる中央銀行機能が、イギリス イングランド銀行で生まれます。
中央銀行は、3つの機能があります。
1 政府の銀行 2 銀行への融資 3 貨幣の発行 です。
特に、貨幣では、コインから紙幣へ移行します。
紙幣は、発行コストが下がりますので、大量に貨幣を発行できます。
しかし、発行量をコントロールできないと、物価が上がるインフレが発生します。
イングランド銀行は、政府に一番近いポジションだったため、これを担い、信用創造+中央銀行機能 で初めて、紙幣発行が可能になります。
株式会社 登場!
さあ、紙幣で大量の貨幣が発行できるようになると、もう一息で今の資本主義が出てきます。
株式会社の登場です。
スペインが新大陸の発見で、南米インカ帝国の”金”の略奪で、大量の富を得ることに成功します。
これを知った欧州各国が負けじと新大陸へ向けて航海プロジェクトを起こます。大航海時代の始まりです。
当時の航海プロジェクトは、大量のお金とリスクがありました。
プロジェクト単位でのリスク出資を募りました。リスクは高いが、成功した時のリターンはデカい。
大量のヒトを、自由な目的のために集め、リスクを分散させる仕組みを作りました。
このプロジェクトを法人化し、創業者と出資者の借財は別責任、つまり有限責任とし、お金を集めやすくする。
オランドで、”東インド会社”が植民地経営の目的会社としてスタートします。この出資を”証券”として発行をします。
これが、株式会社の始まりです。
この”証券”、成功するまでお金に変えれません。それを手っ取り早くお金に変える仕組みとして、”証券取引”が生まれます。つまり、証券=株の売買です。
生産の効率化 産業革命!
株式会社の仕組みが整い、次は余剰生産です。
つまり消費よりも多くの生産を行う必要があります。
生産性を上げる投資を行うがコト必要になります。
これ、今なら当たり前ですよね。
資本主義が現れるまでこの発想が無かったそうです。農地拡大することは意図しても、効率を上げる農具の改良の痕跡はなかったそうです。
何故か?
これまでの社会では、国王か教会か、何れかの所有権で、市民の私有財産の仕組みがありません。
財産が、国や教会のものなら、効率上げるインセンティブないですよね。
これを変えるのが、イギリス ジョンロック、フランス ルソーの思想です。基本的人権を認め、私有財産権を認める。
この既往のOS=封建・キリスト教を一変させる、OS=人権の大転換が起きます!
これにより、効率を上げて余剰生産をつくるインセインティブが生まれます。
このインセンティブが、技術革命を促します。
産業革命です。
イギリス 18世紀半ばから、地方都市マンチェスターで起きます。
え、ロンドンではないの?って思いませんか?
始まりは、羊毛なのです。マンチェスターは羊の牧畜がおこなわれており、羊毛の生産を職人が工夫をして工業化につながります。
何故、イギリスで起きたか?
当時のイギリスは欧州の中では辺境で遅れていました。フランスやドイツ、スペインが列強です。イギリスは国の権威が弱かったのが奏功しました。国王の権威が弱く、民間の富裕層=ブルジョワジーが強いため、産業革命へのが働きました。
この結果、余剰生産により、イギリス全体の栄養状態がよくなり、寿命も伸びる。結果、人件費が高くなり、機械化へのインセンティブが更に生まれる。
この流れが、アメリカに渡ります。
資本主義 爆誕!
さあ、条件は整いました。
当初の株式会社は、航海をおこなった支配地域で、軍事力を行使し、略奪し、奴隷化する。かなり今の株式会社とは様相が異なります。
暴走を危惧した欧州政府は、株式会社の設立を制限します。
しかし、ここで出てくるのが、アメリカ大陸です。
彼の地は、ジョンロックの思想をベースに、平等・自由・幸福といった人権を基軸とした独立を宣言します。
また、産業革命の技術が、このアメリカに渡ります。
この技術と思想を基に、大陸を西へ開拓うるフロンティアスピリットがブーストします。
この開拓には鉄道建設を行う必要がありました。しかし、鉄道事業って、線路引くために膨大なコストがかかります。
これを、株式会社の仕組みで実行します。
そして、メチャクチャ上手くいきます。
欧州各国はこの成功事例をみて、「やっぱり株式会社、スゲー!」となり、規制を緩和して、各国で株式会社が起こります。
アメリカは鉄道が出来たコトで、通信販売が可能になることでモノを販売する市場が多くなります。
その市場拡大に伴い、百貨店やチェーン店が出来ます。
産業革命技術により、大量生産、大量販売モデルの製造業ができ、ラジオの発明でPRも可能になり、今の資本主義の形が出来あがります。
まとめ
お金の歴史、いかがでしょうか。
COTEN RADIO の要約をさせてもらいました。
抜けおちている情報は多くありますので、気になった方は是非、 COTEN RADIOを視聴ください!!メチャクチャ面白いですよ。
この商品経済~貨幣経済~資本経済の流れですが、実はこれに深くかかわるのが、国のシステム、思想、宗教です。
これは COTEN RADIOの特徴なのですが、歴史は、様々な事象が連環して起こります。特に上記の3つは色濃く関わりあいます。
それが、とても面白い。
知れば知るほどに、その連環が1枚の大きなタペストリーのように見えてきます。
今回の投稿も長文になってしまいました。
ここまでお付き合いいただいた方、ありがとうございます。
共感いただけたら、また是非お越しください。