トランプゲームナポレオン秘話

 1987年春(作成年)に都内の高校の化学部(発祥)に入部したとき、2チームで対戦するトランプゲーム[ナポレオン]を考案する。考案者(作者)は化学部の長老、新入部員もいつの間にか長老となる。
 なぜ[ナポレオン]と名付けたのか。まず戦争で思い浮かんだのが、ナポレオンと戦う市民軍もしくは連合軍。高級なお酒のナポレオン。かっこ良く[ナポレオン]と名付けた。決してイギリスのトランプゲーム「ナポレオン」から取ったものではない。ウィキペディアでは[ナポレオン]について色々な考察が書いてあるが、何かを参考にして作ったものではない。ほとんどがその場の思い付きで[ナポレオン]を作った。

【トランプゲーム】


 絵札20枚(Aと10を含む)のカードの中で、何枚取れるかを、ナポレオン軍(ナポレオンと副官の2人の合計)と連合軍(他の人たちの合計)が競り合うトランプゲーム。

【人数とカード枚数】


[ジョーカーなし]
 5人の時はカードを10枚ずつ配り手札とする。残りのカード2枚を真ん中に伏せて置く。カード交換は2枚。
 4人の時はカードを12枚ずつ配り手札とする。残りのカード4枚を真ん中に伏せて置く。カード交換は4枚。
[ジョーカー1枚あり]
 5人の時も4人の時も、真ん中に伏せて置くカードを1枚増やす。カード交換は1枚増やす。

【カード】


 1組52枚(ジョーカーありのときは1枚加える)。

【2チーム】


 2チームをどのように分けるか。ナポレオンが立候補して選ばれたら、カード1枚を指名して副官とし1チーム(ナポレオン軍)とする。残り人たちが1チーム(連合軍)とする。

【基本】 


 各回で1番強いカード出した人が、その回にでたカード(絵札)を全部取る。
 考案者のトランプゲームの原点[戦争]を発展させて作った。

【時計回り】


 各回、時計回りで順番に1枚のカードを出す。
 麻雀と同じ反時計回りでやっていた時もある。

【初回】


 初回はナポレオンが最初にカードを出す。
 ナポレオンが指導権を持つ。

【最初にカードを出せる人】


 各回、最初にカードを出せる人は、前回に1番強いカードを出した人。
 指導権の持続。

【マストフォロー】


 各回で最初に出された同じマークのカードを持っている時は、それと同じマークカードを出さなければならない。各回で最初に出された同じマークのカードを持っていない時は、どのカードを出しても良い。
 ナポレオンが以下のことで都合がよい。ゲームの始まりに切り札狩りなどをするのに都合がいい。また、切り札をいっぱい持っている時、その他のマークのカードが切れているか、ほとんど無いことになる。マークが切れたカードで回ってきたら、切り札で取ることができる。
 マストフォローはウィキペディアで最近になって知った言葉。

【カードの強さ】


[1番目に強い]「オールマイテイ」
  ♤A
 オールマイテイは無条件に1番強よい。
[2番目に強い]「初回のA」
 初回に最初にだされたカードのマークの「A」が1番強い。ただし、スペード♤の時は「K」。
 これは職業訓練校時代に高校化学部時代の特別ルールを簡素化したものである。競技ルールとしてお勧め。
 正裏ジャックを刈るための強いカードである。また副官にすると、初回にナポレオンのいらない絵札を刈り取ってくれる。次に副官はそれと同じマークのカードをだして、ナポレオンは切り札で他のカードを刈り取りとって、主導権をにぎれる。
[3番目に強い]「セイム2」
 各回で全て同じマークのカードが出たときは「2」が1番強い。
 カードの強さは「A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2」が普通なので、各回で全て同じマークのカードが出たときは「2」が1番強い。1番弱い「2」が条件によって1番強いのは面白い。「セイム」とは「同じ」という意味。全てマークが同じなら強いという意味でセイム2と命名する。
[4番目に強い]「正ジャック」
 切り札の「J」。
 切り札とはナポレオンが立候補したときのマークのカード。
 「A」「K」「Q」に勝てるカードとして正裏ジャックが欲しかった。しかし、そのままでは正裏エースとの違いがないという欠点があった。それは、現在の「初回A」が強いと化学部の特別ルールがあることにより、正裏ジャックの欠点がなくなった。正エースと正ジャックの違いは、切り札がスペード♤の時に正エースとオールマイティが兼任という違いがあるが。
[5番目に強い]「裏ジャック」
 切り札と同じ色の「J」。
 裏ジャックは、切り札に勝てるマークのカードとして裏ジャックが欲しかった。
[6番目に強い]「切り札」
 切り札は他のマークのカードより強い。
 A>K>Q>10>9>8>7>6>5>4>3>2の順で強い。
[7番目に強い]「各回で最初に出されてマークのカード」
 A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2の順で強い。
[弱い]「その他のカード」

*このカードの強さが、競技ルールとしてお勧め。

【よろめきルール】


 ♤Aより♡Qが強い。高1の冬に、♤Aが出ていてC先輩が♡Qを出したので思いついた。オールマイテイに、ただの♡Qが出会うと♡Qのほうが強い。オールマイテイがよろめくので、「よろめき」と名ずける。考案者は一度もやったことがない。

【ジョーカー】


1.ジョーカーは最初に出したとき、次から出す人のカードのマークを指定することができる。
2.最弱なカードである。
3.ジョーカーが出ているときは、セイム2がきかない。
4.パスカードとして使えない。最悪最後まで出せない。
 ジョーカーは切り札請求となっていることが多いが、それは正ジャックや切り札を刈ることが多い為、また最強に近いカードの為と思われる。でも本来のルールの方が、裏ジャック狩りなどにも使える。考案者は最弱なカードとしか使ったことがないので、最強またはそれに近いカードとしての使い方はわからない。

【♤3】


 最初に出したとき、ジョーカー請求できる。ジョーカーを持っている人は、ジョーカーを出さなくてはならない。
 高校時代に、連合軍の時は♤3を使って良くジョーカー請求していた。ナポレオンがジョーカーを持っていない方が、切り札狩りなどに使われなくてすむ。また♤で副官が持っていることが多い♤Aを出させる為に。

【ナポレオンと切り札】


 自分の手札で、強いカードが何枚あるかで、切り札を決めて、何回勝って、何枚の絵札を取れるかを考えて、ナポレオンに立候補する。
 ♤♡♢♧のマークの中から切り札を決める。絵札の取得予想枚数(宣言)の多い人がナポレオンになる。立候補の宣言「♡で12枚。」は、「切り札は♡で、絵札の取得予想枚数12枚。」と言う意味。

【マークの優先順位】 


 同じ取得予想枚数になれば、♤>♡>♢>♧の順に強い。(同じ12枚ならば、♤が強く、♡は13枚で立つことになる。さらに♤が13枚で立つと、♡は14枚で立たなければならい。♡が14枚で立つと、♧は15枚で立たなければならい。♤の20枚が最強。)
 立候補は取得予想枚数などの優先順位が強いなら何度でもできる。(同じ人でも♧12枚から♤12枚に変えて立候補できる。)
 [ナポレオン]を作っている時、H先輩に「同じ枚数で立った時どうするの?」と聞かれたので「♤>♡>♢>♧」の優先順位を付けた。

【副官とカード交換】


 副官は、ナポレオンがカード52枚の中から、1枚(1名)を指名する。真ん中の2枚は、ナポレオンが副官を指名した後、手札(10枚)の中の2枚とカード交換する。
 カードを全部配ったら余ったのでカード交換することにした。
 カード交換後に、みんなの承認が得られたら、立候補枚数を増やして、切り札を変えてナポレオンになることも出来る。

【独り立ち】


 副官は真ん中の2枚に含まれていれば、1人でナポレオンと副官を兼任する独り立ち。
 高校の時、たまに独り立ちはあるが、勝つことはめったにない。本当の実力を身につけるにはもってこい。副官は絵札を5枚取れないと、敗因と呼ばれてバカにされた。

【捨てたカード】


 捨てたカードに絵札が含まれる時は、連合軍のものとなる。
 作戦Bをさせない為にも、いらないのにナポレオン軍のものとはならない。

【作戦B】


 ナポレオン軍のカードがとても良いとき、連合軍は全部の絵札をナポレオン軍に取らせてしまい、完全試合になった時は連合軍の勝ちとする。ただし、ナポレオンが20枚立ちで立候補した時の完全試合はナポレオン軍の勝ち。
 高校の時、4人でジョーカーありのインフレルールでやっていたので17枚立ちが良くあった。ときには18、19枚立ちだった。

【勝者】


 全回終了した時、ナポレオン軍で取った絵札の合計が、最初に宣言した枚数以上の時に、ナポレオン軍の勝利とする。ただし、作戦B成立を除く。

【都内の高校の化学部の特別ルール】


 初回に最初に出たマークと同じマークのカードで、次の順番「A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2」で強い。オールマイテイ♤Aは、そのままの強さ。正裏ジャックは「J」の強さしか持たない。セイム2は「2」の強さしか持たない。切り札はその強さを持たない。
 W先輩の希望で裏ジャックを刈る為のルールとして作る。裏ジャックと同じマークの、初回はAで、2回目セイム2で刈る。3回目ジョーカーを出し、4回目カス札を出し、副官に♤Aで刈ってもらう。職業訓練校時代に初回のAは強いに変更。

【点数の付け方(5人)】


 あくまでも、ナポレオンが立候補したときの取得予想枚数で点数をつける。勝ったときの取得枚数ではない。勝者がプラス点、敗者がマイナス点。
 立候補枚数 11  12  13 14   15   16   17 18 19 20 枚
 ナポレオン  2  4    6     8    10   12   14 16   18 20 点
 副官     1     2    3     4     5    6 7    8    9    10 点
 連合軍    1     2    3     4     5    6    7    8    9 10 点
[独り立ち(ナポレオンが副官を兼任)]
 ナポレオン 1  8   12   16   20   24   28   32    36   40 点
 連合軍   1  2  3  4  5  6   7 8  9 10 点
*「カードの強さ」で競技すれば、普通の立候補枚数は12枚~13枚。カードがどんなに良くても、ナポレオンになって「独り立ち」するのが怖く、負けるリスクが小さい精々14枚で落ち着く。めったに15枚はない。バリエーションが、落ち着いた点数から、一発逆転まで狙える点数まである。
*覚えやすいように、立候補枚数の1桁が副官と連合軍の点数になる。

【点数の付け方(4人)】


 勝者がプラス点、敗者がマイナス点。
 立候補枚数 13 14 15 16 17 18 19 20枚
 ナポレオン  3 4 5 6    7 8 9 10点
 副官     3 4 5 6 7 8 9 10点
 連合軍    3 4 5 6 7 8 9 10点
[独り立ち]
 ナポレオン 9   12 15 18 21 24 27 30点
 連合軍   3 4 5 6 7 8 9  10点
*覚えやすいように、立候補枚数の1桁が副官と連合軍の点数になる。
*ナポレオン軍が強いので立候補枚数がインフレになりやすい。

【最初】


 ナポレオンではなく正官と呼んでいた。ナポレオン軍ではなく「正官と副官」と呼んでいた。
 正官と副官が対になっているので、正裏ジャックも対なっている。正裏は、正副でも良かったが、正門裏門から取った。
 はじめは、市民軍と連合軍の両方の呼び名があった。次第に、H先輩が呼ぶ市民軍となった。職業訓練校時代はKさんが連合軍と呼んでいたので、合わさって市民連合軍になった。今は連合軍。

【こつ】


*ルールを覚え初めは、カード交換後に副官を指名して、必ず副官がいる様にする。
*ルールを覚え初めは、ルールを知っている人がナポレオン軍同士、連合軍同士アドバイスしてもいい。副官が誰かわかるまで、必ず本当の事を言っているかわからないし、味方と思わせて実は敵だったという事もある。ナポレオン軍がやって欲しいこと、連合軍がやって欲しいこと覚えもらう。
*ルールを覚えた人に副官選びの時などに、オールマイテイ、正ジャック、セイム2などを持てるのか持っていないのかの発言があれば、その確認などにとどめる。ある程度のアドバイスも必要ならする。覚え初めの人に状況を知ってもらい、どうすればいいか考えてもらう。
*全員がルールを覚えたら、自由やれる。

【勝利への戦略】


 ジョーカーありの4人の時は、切り札が5枚で正ジャックありは立つ。また、切り札が4枚でオールマイティまたは裏ジャックがあれば立つ。副官がオールマイティで絵札1枚。さらに、セイム2か何かで1回は勝ち絵札1枚。絵札計2枚をナポレオン軍のものにできると予想。副官の協力で辛うじて勝利の時もある。立候補枚数13枚で立候補する。他に、Aやセイム2あれば立候補枚数を増やすことができる。経験上、ナポレオンに成ったほうが勝利を目指せる。なぜなら、カード交換が5枚あるから、時にはオールマイティや正裏ジャックが入っていることもある。よって、4人の時は立候補枚数がインフレになる。
 ジョーカーなしの5人の時は、上記の4人の時と同様なカードであれば立つ。でも、カード交換が2枚なので、切り札とAまたはセイム2が1枚でも多い方がいい。立候補枚数11枚で立候補する。5人の時は副官の協力が大きく勝利を左右する。ナポレオン軍と連合軍の接戦になる。

【セイム2の使い方】


 5人の時は同じマークの出た2回目までしかセイム2が効かない。しかし、2回目にセイム2を効かすと絵札を刈りやすい。
 4人の時は同様に3回目までセイム2は効く。よって、絵札の出方を見てセイム2を効かす。3回目に効く時は一発逆転もある。
 正裏ジャックが出ると、次回はセイム2が効かないから今回刈りにいく。 
 ナポレオンが初めてのマークのカス札を出した時には、連合軍は絵札を出す。次の人がAを出すと、最後の人が絵札を2枚取れるからセイム2を出す。次の人はAを出ない。最後の人は絵札1枚だと、次回にセイム2を出すと絵札複数枚を取れるので、セイム2は出さない。よって、連合軍は出した絵札を取れる。また、最後の人が強い絵札で連合軍の出した絵札を取ったとしても2枚の絵札が連合軍に行く可能性もある。カス札でなくて絵札の時は、それよりも強い絵札を出し取りに行く。同上の理由で複数枚の絵札が連合軍に行く可能性がある。
 セイム2とAとの組み合わせは最強である。はじめて回って来た時にAを出だすと、次の人は正裏ジャックを出すとセイム2に取られると思う。2回目にセイム2が効かない状況では、Aを出すと切り札で取られる。おすすめの競技ルール「初回A」は正裏ジャックを刈る時に有効である

【裏ジャックの使い方】


[ナポレオンの時]
 1枚の同じマークの予備札と持つと、1回目のセイム2は避けられる。2回目のセイム2がある時は刈られる前に使う。
 2枚以上の同じマークの予備札を持つとセイム2を避けられる。その予備札の中にAがあると、十分に切り札を刈った後に、同じマークの3回目からはAを出すと、他のマークより強いカードとして使える。よって手札が赤色や黒色に染まった時はナポレオンが強い。
[副官がオールマイティ♤Aで連合軍の時]
 初回からの裏ジャック狩りには弱い。しかし、セイム2を避けるための同じマークの予備札を持っていると、使う時を待つことが出来る。その予備札がない時は使える時に使う。♤Aに刈られない様に、ナポレオンが負けている時は必ず絵札を出し、出来るだけ♤Aを使わせる。終盤の時に作戦Bをやるなら、裏ジャックを♤Aに刈らせる。

【最後の1枚】


 ナポレオンが最後に持っているカードは、とんでもないカードの時もある。あまり出ていないカードのAやKまたはセイム2を持ち、最後の勝負にかける。

【競技ルールと職業訓練校時代】


 ウィキペディアができる前、職業訓練校時代に[ナポレオン]を知っているKさんがいた。人数がいたので5人の競技ルールでやった。やっぱりKさんが強かった。でも1番強かったのは考案者本人だった。一月にカツ丼一杯分ぐらいのお金を賭けて、おもに昼休みにやっていた。1点10円。Kさんがどこで知ったのか聞いておけばよかった。
 競技ルールでやる人数は5人を考えた。4人でやるとナポレオン軍が強く、立候補枚数がインフレになり、無茶な立ち方になることが目に見えていた。カード交換の枚数は少ないほうが、リスクを小さくできる。いらない絵札「10」がくるかもしれない。最弱なカードのジョーカーは使うメリットよりデメリットが大きい。よて、カード交換は2枚。化学部の特別なルールは、覚えやすい「初回のAは強い」に変更した。

【トランプゲーム一覧】


 [戦争][スピード][アメリカンページワン][大貧民(大富豪)][セブンブリッジ][ナポレオン][ツーテンジャック]。[ページワン]=[アメリカンページワン]。[52][54]=[戦争]。
日本発祥のトランプゲーム。

【トランプゲームの歴史(作成年)】


 以下のゲームの考案者はすべて化学部の長老。
l  1969年ごろ[戦争]、別名トランプ[52][54]。
 「戦争」というと、年配の方が嫌がるので、別名を付けた。
 「発祥地」東京都板橋区。
l  1970年ごろ[スピード]。
 「発祥地」東京都板橋区。
l  1971年ごろ[アメリカンページワン]、別名[ページワン]。
 「発祥地」東京都板橋区。
l  1972年ごろ[大貧民]、別名[大富豪]。
 2か月後「革命」ルール誕生。
 「発祥地」東京都板橋区。
l  1975年[セブンブリッジ]。
 「発祥地」東京都板橋区。
l  1978年春[ナポレオン]。
 その年冬「よろめき」ルール誕生。
 「発祥」都内の高校の化学部。
l  1979年春[ツーテンジャック]。
 「発祥」都内の高校の化学部。

【著書一覧】


トランプゲーム戦争
トランプゲームスピード
アメリカンページワン
トランプゲーム大貧民(大富豪)
セブンブリッジ(トランプゲーム)
トランプゲームナポレオン
ツーテンジャック(トランプゲーム)
トランプゲームナポレオン秘話
 


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