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7分毎の電車の7分遅れ

長年長崎という地方にいたので東京に転勤となり普段から電車を利用する環境になった。関東圏の電車網の発達ぶり、普段の生活での依存度の深さに戸惑いさえ覚える。首都圏の過密ダイヤというのはある意味芸術的だ。
例えば、東京に来た当初は7分毎のダイヤを組んでいる路線で7分遅れのアナウンスがあると結局変わらないじゃないか、と考えていた。しかし、7分毎のダイヤを組むのはそれだけ乗客が乗るから過密なダイヤとなる。7分遅れればその分電車に乗れない乗客がホームに取り残されることになる。7分程度の遅れで済めば良い。1時間や2時間ともなるとホームだけでなく駅の階段や改札口の周辺、その駅の周りにまで乗客が溢れ混雑と混乱が起きる。言い換えれば、首都圏の電車による移動システムとは電車の配車システムだけでなく、改札、ホームや駅の階段を含めた駅周辺の人のフローを考慮した配置システムなどが密接かつ緻密に連携した芸術的な組み合わせなのだと思う。見方を変えれば、何か災害や事故などが発生し微妙なバランスの上に成り立っているこのシステムが壊れると予想のつかない大きなトラブルへと発展してしまう。そんな不慮の事態を想定して何かバッファー(緩衝となるもの)の様なものを用意しているのだろうか。最近の局地豪雨を想定して都市の地下に雨水を緊急避難的に溜める巨大なコンクリートの貯水槽の様なバッファーの仕組を首都圏の電車網の中に用意しているのだろうか。電車を利用する度に漠然としたこの様な不安を抱いているのは自分だけだろうか。

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