アトピー考その27 - 皮膚も記憶する
池江璃花子さんのTwitter投稿を見た。懸垂をしている画像だった。腕も脚も細い。ついこの間オリンピックでメダル獲得を目指す頃の水泳選手らしい引き締まって張りのある筋肉は見る影もなかった。しかし、筋肉は記憶しているという。今後必ず水泳選手として復活する。その決意と確信が投稿に現れている。
記憶するのは筋肉だけではない。皮膚もやはり記憶している。
そう感じる理由がある。塗布していたステロイドを止めたのは30歳過ぎのこと。今から20年以上前だった。30代についてはここで語る術はまだない。あえて一言で言えば、地獄だった。それはともかく皮膚に軟膏を塗ることを止めた。アトピーの症状は身体からの排泄機能の異常を知らせるアラームととらえて皮膚から出る浸出液が出るに任せた。
浸出液が出る皮膚の箇所。その箇所をたどっていくと思い当たることがある。ステロイドを塗った箇所、ひどくなった箇所から集中的に出てくる。いったんおさまる。また出てくる。そんな繰り返し。その中で気付いたことがある。
現在から過去へ病歴をたどるかの如く昔へ昔へと悪くなった皮膚の箇所が移っていく。症状が身体の別の箇所に移るとおやそういえばここはもっと若い時に悪かったなぁと記憶が蘇る。まるでアトピーの症状が出た過去の歴史をたどっているかの如く。
経験から分かったこと、気付いたこと。
筋肉がそうである様に皮膚も記憶する。