【毎週ショートショートnote】半笑いのポッキーゲーム
今日はサークルの飲み会がある、と裕太から連絡があった。
裕太と付き合っている事はサークルではオープンにしていない。私は部長の星野先輩が苦手で、何かと裕太に守ってもらっていた。
「恒例のポッキーゲームやるぞ!」
マジで嫌。またやるの?
「先に女性から予選やってね」
予選はCMよろしくポッキーをかじり、残った部分の短さを競う。
「お、女性代表は由紀ちゃんか!」
勝ってしまった。
「男性陣、予選やるぞ」
裕太、お願い、勝って。
「よっしゃー!星野先輩、俺、勝ちました」
「おお、裕太か。でも、まだ俺がやってないぞ」
星野先輩がポッキーをかじると、チョコの部分がなくなり、持つところだけが残った。
「俺の勝ちだな!」
私はすかさず言った。
「星野先輩、それもうポッキーじゃなくてプリッツですね。失格です♡」
「マジで!」
星野先輩は半笑いで負けを認めた。
「じゃ由紀ちゃんと裕太でポッキーゲームだな」
「続きは家でやります!」
私は裕太の手を引っ張って店を出た。
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※こちらの企画に参加させていただきました