【毎週ショートショートnote】伝書鳩パーティー
「皆さん、伝書鳩パーティーへようこそ」
主催の伊良月夜が厳かな口調で続ける。
「先日飛び立った皆さんの伝書鳩達が戻ってまいりました。どのようなメッセージを持ち帰ったか、楽しみですわね。では、花澤さんからどうぞ」
「はい。
『受け取ったばい。元気にしとると?』
私の実家です、お恥ずかしい」
「九州まで行ったのね!すごい。次は横山さん」
「はい。
『なんなん、これ。なんなん』
……関西の人かしら」
「ふふふ、最後は私ね」
Usikubali kubebwa, wewe mvivu
「あら、日本語じゃないわ……影山、読める?」
「海外から?流石ですわ!」
取り巻きが月夜を持ち上げる。
「執事の影山は多言語に通じておりますのよ」
「月夜様。スワヒリ語でした。訳しますか?」
「もちろん」
「それでは。
『調子に乗るなよ、このヒマ人が』
でございます』
「なんですって!」
月夜が怒りで卒倒し、パーティーはお開きに。
アフリカからのメッセージではないと、みんな思った。
(410文字)
※こちらの企画に参加させていただきました。