【毎週ショートショートnote】生き写しバトル
闇夜に2人の忍者が「忍法:生き写し」の使い手の座をかけて睨み合っている。
「赤丸、今日こそ決着をつけようぞ」
「黒丸、負けたら二度と使うなよ」
「言うにや及ぶ」
双方同時に叫んだ。
「忍法、生き写し!」
暗闇でお互いに相手が何の生き写しになったのか分からない。
赤丸が先に動いた。
「秘剣燕返し!」
さっとかわして黒丸が叫ぶ。
「小次郎敗れたり!」
黒丸は勝利を確信して笑っている。
「赤丸、いや佐々木小次郎。貴様が燕返しを使いたがっているのは知っていた。昨日も寝言で言うておったからな。我は宮本武蔵なり。勝負あったな」
赤丸が叫ぶ。
「忍法、生き写し!」
「なに?!貴様、まだ忍法を使っていなかったのか!卑怯者!」
「我らは忍者。勝てば良いのじゃ」
「おのれ、我は天下無双の宮本武蔵ぞ!」
「我は荒木又右衛門じゃ」
赤丸は黒丸を叩き斬った。
その後。
この現代で、赤丸は忍法生き写しをどう使えばよいか分からず、悩んでいた。
「黒丸、わしが勝って良かったのかのう」
(410文字)
※こちらの企画に参加させていただきました。
昔、夢中になって読んだ山田風太郎先生の忍法帖を思い出して書いてみました。まだ巌流島を引きずっていてすみません🙇
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