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大学院での研究と授業について

日本の世間では縁遠い大学院ですが、大学院の何がわからないのか、多分「何を勉強するのか?」という対象の問題と、「何をしているのか、大学4年までの授業とどう違うの?」という2点に集約されるのではないかと、個人的には感じます。色々な人に聞かれるのがこの2点です。ただ、端的にいうのはどちらも結構難しく、自分でも今まで上手く言語化できていませんでした。


研究について

まず、研究というものについて、非常にうまいこと書いてある先達が既にちゃんとnoteにおりました。

研究は創作活動に近い」というのは、自分も感じたことです。プロセスも似ていますし、自己評価と世間の評価が食い違うことが多いという点もです。ゴッホのような天才の技が理解されないのではなく、自分の場合は単に自分のレベルが低いのを公に指摘されるという点ですね。苦笑

山登りの例えも、自分が登山をすることもあって、なるほどなー、と思います。

自分にとっての研究という行為は、調べることが多分9割かもっと、残りの1割以下が、その中から自分のオリジナリティが発揮できることを見つけるために考える、ということだと思ってます。凡才の自分が考えたことくらい、誰かが必ず既に考えて、何がしかの発表をしています。その境界を知るだけでも、膨大な時間がかかります。

研究の対象と手法

経済学という領域で何を研究しているのか、という質問には、対象と手法を明確にすることが必要と感じています。ここら辺までくると、興味ない人にはもうどうでもいい話になってくるので、詳しく説明することもあまり(ほぼ)ありません。ただ、これがあやふやなままだと自分でもどこの山に登っているのかすらわからなくなります(まさに遭難の状況になります)。

  • 研究の対象
    自分の場合は対象としては鉄道産業が対象であり、その観察データを使った計量経済学的手法による社会との関係の分析、ということが研究の大まかなテーマです。対象は絞り込んでいますが、手法、ツールは汎用的なものを使いたい、という真意があります。鉄道産業は均質なデータが公開されており(構造化されておらず、神エクセルの状態で使い勝手は最悪ですが)、自分が携わっていたこともあり、データのできてくる仕組みについての知識があるので、ある程度の近道が可能なため鉄道産業を対象として選んでいます。

  • 研究の手法
    手法については、計量経済学と統計的因果推論という応用が効くツールの習得も目指している、というところです。産業、社会、そして規制という関係とデータがあれば電力や通信、また政府と政治の意思決定とその影響など、幅広い応用が可能だと思います。まあ自分が生きているうちにできることはそのうちのほんの一部でしょうけれども。。。

ここまで整理するのに、試行(思考)錯誤も含めて実は1年以上かかってます。苦笑 最初の研究計画書は今見ると恥ずかしいの一言ですが、人間わかったようでわかってることなんてほんと少ないなと今更感じています。

なので、「今までの経験知識をベースにリスキリング」なんて立派なものではなく、完全に学び直しだと思ってやってます。

授業について

研究は今まで述べたようなものとして、授業はどうなのか、という点も書いておきます。一応博士後期課程でも必要単位数は20ほどあり、シラバスを見て選択する選択科目と、研究倫理やプロジェクト型の単位などの必修科目が決められています。修士課程であれば、コア科目と選択科目があると思います。どんな授業を取るかというと、今まで述べた自分の研究に関して必要な知識や、先生からのアドバイスを得るために科目を選ぶ、という感じです。この点は総合大学の方が選択の幅が広く取れるという点でメリットが大きいと感じます。

授業は特に博士後期は講義形式のものはほぼなく、ゼミ形式というか、先生と学生で選んだテキストや論文の輪読、精読と自分に割り当てられたパートは概要とともに論点を発表して議論、という形が多いです。中にはある程度の講義を聞いてから、タームペーパーとして自分の小さい研究を行って発表、というMBAでよくやった形式のものもあります。

あと、必要なもの、興味のあるものについては学部講義の聴講も可能です。今年の前期はベイズ統計の入門科目の聴講をしてみました。これはこれで、大学の授業の有用さというか、面白さを感じられた経験でした。それと、MBAの授業でも感じましたが、過去の自分の行いを再度心から反省させられました。。。

色々と長い自己紹介となりましたが、今後は研究の内容や、関連する社会や経済の現象、趣味のことなど書いていきたいと思っています。

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