コロナ検査に毎日18億円投入する意気込みのデンマーク
フランスの再々度ロックダウンや、ドイツのロックダウン延長など、欧州はコロナ第3波の山を迎えています。
ただ、デンマークは比較的落ち着いています。
デンマーク保健大臣のツイッターによると、直近の再生産数※は「1」とのこと。再生産数が1ということは、感染が収束しているわけではないけど、拡大しているわけでもないので、一応コントロールできている状況です。
※再生産数は1人の感染者が何人に感染が広がるかを示す統計値。1より大きいと感染が拡大し、1より小さいと感染が収束している。1の場合は拡大も収束もしていないということ。Rとも呼ばれる。
そんなわけで、フランス・ドイツに比べるとロックダウン規制は徐々に緩和方向に進んでいます。
ロックダウン中はスーパーしか開店していませんでしたが、街中の小売店は数週間前から営業がOKになっています。
そして、イースター明けの昨日からは美容室・床屋が解禁。また小中学校では、週一回だった対面授業が隔週開催となり、学校に行く機会が増えました。
まだ感染状況次第ですが、大型ショッピングセンターの営業、美術館・博物館などの公共施設の営業、飲食店の屋外営業の再開が4月の規制緩和の予定に入っているそうです。(飲食店の屋内営業再開は5月以降の予定)
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以前のnoteでも紹介していますが、デンマークの方針は、①夏までに全国民のワクチン接種を完了させること、そして②日常的なコロナ検査による感染拡大の防止と早期発見、という2本柱。
特にコロナ検査にはかなり力を入れていて、👇の記事で紹介したように、出社する前、友達と会う前、パーティに行く前、実家に帰る前など、好きなタイミングで気軽に無料のコロナ検査を受診できるようになっています。
デンマークではすでに検査を受けることが日常になっているので、先日お友達に招待されたイースター食事会(Påskefrokost)でも、参加者はみんな事前の抗原検査でチェック済み。
そんなわけで、欧州の中ではずば抜けて検査数が多い国になっています。
下のグラフは、Our World Data の国民1000人あたりの1日の検査数なのですが、デンマークの検査数は日本の約70倍の規模。
そしてさらに検査キャパを増やしたいようで、1日あたり500,000回の検査キャパシティを700,000回に拡大する計画を立てています。
もしこの検査キャパシティがフルで使われるとすると、なんと1日あたり最大1億クローネの出費。日本円するとなんと18億円!! それもたったの1日分!!
もちろんキャパはフル稼働しないので、実際の費用はずっと少ない金額ですが、仮に365日フルキャパで稼働すると、約7000億円ぐらいの予算。かなりの金額を投入する意気込みです。
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さて実は、冒頭の再生産数(R)はまだイースター休みの結果が反映されていません。
イースター休みは食事会などのイベントで人の動きがめっちゃ増える時期です。これまでの経験から、人の動きが増加するとその10日後に再生産数がハネ上がるということがわかっているそうです。
ただ、今回は政府がコロナ検査をかなり推奨したので、検査数はこれまでにないピークを記録。もしかしたら事前検査が増えた分、これまでのようなハネ上がりは抑制できるかもしれません。結果がちょっと楽しみですね。
とはいえ、コロナの状況は一進一退。気が緩むとすぐに広がって、ロックダウン・・・というのは欧州お決まりパターン😅 気をつけなくちゃね。