デジタルデンマーク⑫ ワクチン証明パスポートで自由に旅行ができるかも
以前、noteで紹介した通り、デンマークでは着々とワクチン接種が進んでいます。
僕と同じチームの同僚R君は、なんと今週金曜日には2回目のワクチン接種を受けるそうです。(どうやら持病があるそうで、一般ピープルよりも優先的にワクチンを受けることができるらしい)
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そんな中、デンマーク政府はワクチン接種を証明する「デジタル版ワクチン・パスポート」を提供するために本格的に動き始めました。
具体的には、デジタル版ワクチン・パスポートのシステムとスマホアプリの開発に関して入札を開始。スケジュール的には5月稼働を目指して開発をスタートするそうです。
2ヶ月弱の開発期間なのでかなり急ピッチですが、医療情報がすでにデジタル化されているデンマークでは比較的簡単なのかもしれません。
実際、デンマークのお医者さんは紙の処方箋を発行しません。お医者さんはは共通システムに処方箋の情報を登録するだけ。患者はどこでも好きな薬局に行き、健康保険証を見せるだけで処方された薬を受け取ることができます。
おそらく、ワクチンの接種記録も医療情報として共通システムに登録されているはずなので、デジタル版ワクチン・パスポートは医療情報の一部にアクセスして「ワクチン接種証明書」を発行するのだと思います。
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なお、EUでは現在ワクチン・パスポートの共通ルールを検討中です。まだ正式合意にはいたっていませんが、EU加盟国がそれぞれ発行するワクチン・パスポートを相互に認める協定で、ワクチン・パスポートを持っている人は入国時の自主隔離が免除されるという仕組み。
正式名称は「Digital Green Certificate」というそうですが、ワクチン接種だけでなく、陰性の検査結果やコロナから回復して180日以内の場合でも有効になるそうです。
夏の旅行シーズンに間に合わせたいようで、久々にEU各国の足並みがそろっている案件です。(残念ながら brexit したイギリスは含まれませんが・・・)
もちろんデンマークのデジタル版ワクチン・パスポートは、EUの枠組みに準拠する形で提供される予定なので、もしかしたら欧州内での旅行はしやすくなるかもっ! (外国人は対象外ということにならないといいのだけど💦)
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さて、肝心なワクチン接種スケジュール。当初の予定では6月末までに市民全員が2回の予防接種を受けられるようになっていますが、今日新しく発表された計画では7月末まで延期になっています。
一方で、16〜64歳の一般ピープルのワクチン接種の予定が具体化されて、40歳の僕は5月下旬〜6月の期間の予定のよう。僕の奥さんは僕よりも若いので半月ほど遅いみたい。
日経新聞によると中国やイスラエルでは、デジタル証明がすでに運用されているそう。EUではデンマークの動きが一番早いようですが、EUで「Digital Green Certificate」の枠組みが合意されれば各国一斉に動き始めると思います。
デジタル証明がグローバル標準になるとするなら、日本も早く対応しないといけないかもしれませんね。
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