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無料コロナ検査の国で、有料のコロナ検査サービス💰が成功する理由 in デンマーク

昨日の「日常的なコロナ検査で夏を楽しみ始めたデンマーク」でお伝えしたように、今日はコロナの抗原検査に行ってきました〜。

別に体調が悪いわけではなく、デンマークではオフィスに出社する人は週1回のコロナ検査が推奨されているためです。また、火曜日から再開するKIN-BALL(キンボール)練習に参加するためには72時間以内の陰性結果(通称 コロナパス)が必要というのも理由です。(※ KIN-BALLは、僕がデンマークに来てから始めた不思議なスポーツです) 

いつも利用している市内の検査場はなぜかお休みだったので、今日はオーフス大学のキャンパスに設置されている検査場に行くことにしました。

検査はPCR検査と抗原検査の2種類があるのですが、今回は抗原検査。精度が劣るものの予約が不要で、15分で結果が分かるというものです。(抗原検査は、「陰性なのに陽性と出てしまう偽陽性の可能性」があるため、陽性の結果が出たらPCR検査で再検査をするそうです)


無料検査場は長い列

散歩がてらオーフス大学の公園を散策しながら、試験場に行くと・・・

うわっ、行列が長っ!

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行列がぐる〜ぐる〜っと回ってるよ・・・。

どうやら推定待ち時間は30〜45分ぐらいらしい。仕方ないなぁ。

コロナ検査の結果があれば、飲食店やバーを利用できるようになったこともあり、検査場の待ち時間はかなり長くなってしまいました。

新しい検査場を設置したり、検査場のスタッフを増員してキャパシティを増やしているそうですが、さすがに急激に増えた需要にキャッチアップは難しいよう。

有料のコロナ検査サービスもある

そんなところに目をつけたのは、デンマークの Pro Medical という会社。

この会社、無料でコロナ検査ができるデンマークで、あえて「有料のコロナ検査サービス」を提供しています。

そのお値段、149クローネ(約2,700円)

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ライバルが「無料」だと勝ち目はないんじゃないかと思うのですが、なんとコペンハーゲンではうまく行ったらしく、先週からオーフスでもサービスを開始しました。

有料サービスでも無料に勝てる

実は、この会社がターゲットにしているのは、街中の「飲食繁華街」。

無料の検査場は街の中心から外れた郊外にあるのですが、Pro medicalの検査場は街のど真ん中。なんと、カフェやレストランが立ち並ぶ目抜き通りにあります。

だから、突発的にレストランやバーに行くことになった人や、お店に入ろうとしたらコロナパスの有効期限が切れていた・・・という人がターゲット。

無料の検査場に行って帰ってくるだけで30分。そして検査に1時間待ちだとお店に入れるのは1時間半後。

でも、お金を払えばすぐに検査してくれて、20分以内に結果が出ちゃう。

それなら2,700円払っても良いかも・・・

そう考える人がいてもおかしくありません。

実際、僕が看板の写真を撮っている間に、お客さんが入って行きました。

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さらにPro Medicalが賢いのは、飲食店と提携しているということ。

Pro Medicalの検査をすると、提携飲食店でのドリンク1杯無料券がもらえるらしい!

ビール🍺なら1杯50クローネ(約800円)ぐらいなので、検査料金の3割が帰ってくる計算。

飲食店からすると、コロナパスを持っていないお客さんでも、すぐに検査してもらえれば、入店OKにできるので非常に助かります。

なので・・・

■お客さんは迅速な検査結果とフリードリンクが貰えて嬉しい
■お店はお客さんを増やせて嬉しい
■Pro Medicalはコロナ検査でビジネスができて嬉しい

おー、これぞ「三方良し」の良好ビジネス!

ビジネス教科書的にいうと、「ポジショニングを工夫して、大手強豪ライバル(ここでは無料の検査場)がカバーできないニッチな市場で勝つ」というところでしょうか。

すごいなぁ。賢いなぁ。

日本で同じことをするなら、商店街や繁華街の組合と提携するというのも良いですね。商店街の入り口に検査場を設けて、そこの検査結果があれば商店街内の飲食店やお買い物で割引がもらえるという仕組みはどうでしょう?

僕の検査結果とコロナパス

さて、そんなことを考えていたら僕の検査結果が出ました〜。
無事陰性✌️

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ひぐち @ 北欧デンマーク🇩🇰
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