企業間連携、どうすればいい?(DX事始め)
企業間連携とは
企業間連携は多く実施されています。人間は一人では生きていけません。そして企業も同じです。つまりどのような企業でも個社だけでは成立せず、発展できません。だから企業間連携は絶対必要です。
企業間連携と一言で言っても、その連携は様々です。営業や製造の一部のデータだけを共有する関係から、多くのデータを共有する関係、データだけでなくシステムや環境を共有する関係、人事も連携する関係など、連携の強弱により、多種多様な連携があります。また垂直統合型や水平分業型の連携の区別もあります。
この企業連携のベースになるのは、データ連携です。どのデータをどのように連携するのか、これが企業間連携では大事です。
DXで企業間連携は必要?
一般的に言って、企業間連携は必要であることはわかりました。でもそれがDXで必要なのか、DXならでは特に必要なのか、これを見ていくことにします。
DXは変革対象により、様々なものがあります。例えば、製造業DXでは製造工程をデジタル技術によって変革することが多くなっています。このDXでは企業間連携とは無関係です。一方、例えば、企業間で営業や製造関連のデータを交換して実施するDXもあるでしょう。このように考えるとDXと企業間連携は直交しているようにみえます。つまり企業間連携とは別に実施するDXと企業間連携をベースにしたDXに分けられます。
しかしこの二元論は間違っています。企業間連携をしないDXは、いつかは収束します。いつかは終わってしまいます。その次の段階として、企業間連携をベースにしたDXが登場します。企業間連携によるDXは発展性が大きいでしょう。色々と新規な価値創造になるでしょう。DXは、いつかは企業間連携が必要になります。
垂直統合と水平分業
企業間連携は、その構造により、垂直統合型と水平分業型に分類されます。DXでは垂直統合型ではなく、水平分業型の企業間連携がマッチします。これこそがDXの本命パターンです。水平分業であれば、各々が自律的に活動し、分業の中の組み合わせで新しいサービス、新しい製品が生まれるでしょう。
デジタル技術でデータ連携が容易にできるようになり、企業間で水平分業が進み、新しいサービスや製品による価値が創造され、そして産業構造がメッシュ型になっていくでしょう。次では企業間連携のベースになるデータ連携を見ていくことにします。
企業間データ連携
企業間連携のベースは企業間のデータ連携です。企業間のデータ交換が重要になります。度のデータを出すか出せないかを明文化します。これについては「データは秘密、だけど出すの?(製造業DX)」を参照してください。
出せるデータ、出せないデータを明文化して、次にデータ連携の目的を、つまり今回のDXの目的を明確にします。もし製造工程の連携による効率化が目的なら、製造関連のデータから明文化したデータの連携を考えます。
そのためのデータ連携方法を考えます。既存のものがあれば、それを活用します。なければ、必要最低限の仕掛けを作ります。この理由はいきなりコストを掛けるのは難しいからです。このように企業間連携の大事は、データは全面的に考慮し、仕掛けは最低限にすることです。
ということで今日の結論。「企業間連携はデータにあり」 以上です。