辛口レビューは正義(ソフトウェア分析)
レビューとは?
レビュー、それはエンジニアに課せられた最初のフロンティア。そこにはエンジニアの想像を絶する新しい仕様変更、新しいバグが待ち受けているに違いない。
このようにレビューは新しい事実を見つけることです。つまり間違いだけを見つけることだけでなく、当たり前のものも含んで事実確認をするものであり、そこには新しい、想像を絶する事実も見つかることでしょう。
レビューはプログラムを動かすことなく実施する静的テストであり、プログラムを動かす動的テストと比較して、レビューアのスキルに大きく影響されます。つまり動的テストとは違い、プロダクトの品質だけはなく、レビューアの品質がより多く影響されることになります。ここに注意してください。
レビューで難しいのも、プロダクトとレビューアの2個の変数があることです。そして一番難しいのは、動的テストのように間違いを指摘するのがコンピュータでなく、人間であることです。「レビュー指摘を憎んで、レビューアを憎まず」
悪いレビューとは?
重箱の隅をつつくようなレビューは時間の無駄です。「てにをは」の間違い指摘は、貴重なレビューの時間に指摘しなくてもいいものです。時間の無駄をしてしまいます。レビューで地球のことを考えなくてもいいのです。ただレビュー対象のことを考えればよく、地球のことまで考えるのは思考の無駄使いです。
意識の低いレビューアは害悪です。しかしこのレビューアでも1000個のうち、3個くらいはまっとうな指摘をしている可能性があるので、運命と思って、レビューの解読に努めるようにしましょう。
意識の高いレビューアも害悪です。なぜなら修正方法を考えたくなり、多くの時間を費やすからです(それが正義感から来ているとやっかいになります)。後で担当者のみでやってほしいものです。この場合は議長の進行の腕の見せ所です。「さぁ、次にいきましょう」
いいレビューとは?
いいレビューはレビューに参加している全員を幸福にします。幸せは新しい事実がわかったことであり、その事実の推測方法がわかったことであり、指摘する言葉の使い方が分かったことであり、次の行動の示唆がわかったことです。これでみんなが幸福になります。
一罰百戒はいいレビューです。甘口レビューよりは辛口レビューがいいのです。たとえ担当者に疎まれても辛口の方がいいのです、きっと。しかし一罰百戒に留め、担当者に止めを刺さないようにすることが後々大事になります。最後に笑って終わるレビューこそが正義なのですから。
ここでレビューのコツを1個だけお伝えします。レビューにも、人々が信じる相場観があります。つまり、どの程度レビュー指摘があるかの相場観があります。この相場観はこの記事の参考文献にあるIPAのソフトウェア開発分析データ集を参考にしてほしいです(宣伝?)。
結論です。この分析データ集はあなただけでなく、上司もユーザも読んでいると想定して、相場観に近いレビュー指摘をすることです。指摘件数が足らなければ、仕方がないので、重箱の隅をつつき、指摘件数が多すぎるときは一罰百戒を広く適用して、数を減らすのです。これで世界は平和になります、きっと。
ということで今日の結論。「レビューは辛口で、量はほどほどに」以上です。
マンガFAQの引用元:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構