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もうひとつのDXって
次節:消極的DXのススメ
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正統派DX
普通の正統派のDXは、長期的収益などの目的のために、デジタル技術を用いて、何らかの対象を変革することです。この普通のDXは自律的に、自分事として、積極的に活動するものです。
これはDXに限らず、すべての企業活動に言えることですが、特にDXではその傾向は高くなっています。
この正統派のDXは正義です。当たり前です。これを推進するのが正統派です。以下で紹介するもうひとつのDXは傍流であり、勧めるものではありません。しかし数は多いです。主流派です。正統派の方が逆に少ないです。
だから、もうひとつのDXを無視することができません。特にDX推進をする人はもちろん、それを支援する人は大事です。
もうひとつのDXいろいろ
正統派DXに対して、もうひとつのDXとしては、いろいろと考えられます。
例えば、中身がない形だけのDXである「なんちゃってDX」があります。これは社長から丸投げされたときに多く見られるDXです。これは社長報告向けのDXになりますから、見栄えが鍵です。見栄えがする報告が命です。このため他律的で他人事になります。
ここで取り上げるもうひとつのDXは上記のようなひどいものではなく、周りがDXを始めて、それに影響を受けて始めることにした「消極的なDX」をなります。これは見栄えだけでなく中身を求めるDXですが、しかしどうしても普通の正統派DXと比較して、他律的で他人事になりがちです。
まぁなんちゃってDXほどにはひどくないですが。
ここでは取り上げませんが、もうひとつのDXとして、意識高い系のDXとして「革命的DX」があります。デジタル革命(Digital Evolution)とも呼ばれています。このDXは究極のDXぽいですが危険です。このDXは変革(Transformation)が革命(Evolution)になったものですが、やりすぎの面があります。この革命について来れない危険性が高く、持続性が危ぶまれます。
ただし革命と名乗っても、なんちゃって革命のときは、この危険性がありません。逆の変革度合いが小さいという名前倒れの心配はありますが。
もうひとつのDXの定義
ここでの「もうひとつのDX」の定義は前節で紹介したものになりますが、もう少し詳しく見ていきます。もうひとつのDXでは以下の特徴がみられます。
(1) 周りがDXをしていることに影響を受け、DXの必要性は認識している。
(2) 開始が遅れたこともあり、周りのDX事例を調査している。
(3) しかしどうしても周りを気にして、真似事が多く、受け身になっている。
(4) 自律的にやや欠け、他律的になり、この結果、消極的になっている。
そして、このもうひとつのDXが多くなっています。DXの事例では正統派のDXばかりですが、セミナーや講演会ではもうひとつのDXが多くなっているように見えます。特に講演後の個別の質問ではそのように思えます。
今回の記事はここまでにして、このもうひとつのDXをどのように進めるのがいいのか、どのように支援すればいいのかは後日、紹介していくようにします。
ということで今日の結論。「消極的DXは多い」 以上です。
参考:IPA 中小規模製造業者の製造分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のためのガイド |
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