ウォーターフォールって強い?(ソフトウェア分析)
ウォーターフォールのデータ多すぎ
IPAのソフトウェア開発分析データ集やその前身のソフトウェア開発データ白書で、収集しているプロジェクトデータは、圧倒的にウォーターフォール型開発のデータが多くなっています。なんと95%を余裕で超えています。これはもう、ソフトウェア開発はウォーターフォールで開発するものだと言えます。本当にウォーターフォールって強いです。
でも実際はそうではないでしょう。現場の肌感覚で見ても、アジャイルソフトウェア開発が半分以上まではいかないにしても、もっともっとあると感じるでしょう。現にこの記事はアジャイル開発で執筆していますから(イミフ)。
それではなぜ?こんなにもウォーターフォールばかり集まり、逆に言えば、アジャイル開発が集まらなかったのでしょうか。不思議です。ということで、次でみていきましょう。
アジャイル開発は定量分析できない
都市伝説として語られていることに、アジャイル開発は定量データによる分析ができないという伝説があります。その場その場で仕様が変わり、プログラムを作っては壊し、壊しては作っているので、これを定量的に管理するのは面倒だというものです。
だからアジャイル開発では定量分析できず、ソフトウェア開発分析データ集にもそのプロジェクトデータがないという訳です。その結果、データはウォーターフォールで覆いつくすという流れです。
これはある面、事実です。でも真実ではありません。二つの間違いがあります。一つはアジャイル開発が定量分析できないという伝説です。これについては「アジャイルで簡単、定量データ分析」のようなタイトルの記事を後日公開しますので、お楽しみにしてください。
アジャイルをウォーターフォールとして管理
もう一つの間違いは、アジャイル開発をしているプロジェクトを、あたかもウォーターフォール型開発で運用しているかのように管理していることです。これはもう、明らかに無理があります。道理が引っ込みます。
なぜこんな無理が通るのでしょうか。それは上司が、ユーザが、管理しやすいからです。慣れた方法で管理できるからです。アジャイルでも慣れた工程管理で、進捗管理をすればいいのです。管理はただ、ガントチャートぽいものを描かせるだけで、簡単に進捗管理できます。
もちろん前節で紹介したように、アジャイルでも進捗管理はできます。コツがいりますが、勘所はありますが、できます!(きっぱり)。でも世間はそう見ていないのです。と無駄に一般化せずに言えば、あなたの上司のユーザがそう思っていないのです。逆にウォーターフォールは完ぺきに管理できると信じているのです。本当にウォーターフォールって強いです(2回目)。
ということで今日の結論。「ウォーターフォールはアジャイルを隠す」
以上です。
マンガFAQの引用元:ソフトウェア開発分析データ集2022 | 社会・産業のデジタル変革 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構